人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

自粛期間に想う切手にまつわるストーリー

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手紙を愛する人は切手にもこだわりを持つ

 世の中は確実にペーパーレスに向かっているようですが、まだまだ手紙を愛する人たちは大勢います。考えて見ると、手紙を書いている間は、相手のことだけを思っているわけで、一日の貴重な時間を割いてくれているわけです。メールなんかよりもはるかに手間がかかる行為だと思うと、なんだかワクワクしてきます。面倒なことはメールや電話でちゃっちゃと済ませてしまえばいいのはわかります。でも本当に伝えたいことは手紙に限ると思うのです。電話で伝えたとその場では思っても、ふと、「あれ~、なんか忘れてるなあ」と後になって気付くことが多いです。それと手紙好きな人は当然封筒に貼る切手にもこだわりがあります。

外国への興味は切手から

 新聞の投書欄に載っていた女子高生は友達と文通をしていて、手紙を書くのが大好きです。ただ、日本の普通切手は色も茶色とか灰色とかの暗い色が多いのが気になる。だから可愛い切手を見つけるとテンションが上がって、相手の反応を想像して嬉しくなってしまうのだと。このお便りを読んで、高校の時外国のペンフレンドと文通していたことを思いだしました。それまで日本の普通切手しか見たことがなかったので、ベルギーやアメリカのカラフルな切手は夢を与えてくれました。郵便ポストを覗きに行くたびにどれだけドキドキしたことか、それはタダの切手ではなくて、今にして思えば、芸術品、つまりアートだったんです。外国の切手に出会って以来、切手に対する固定観念は大きく変わりました。切手は美しいし、可愛いし、またユニークなのもたくさんあって、その影響で外国への憧れが芽生えたのです。

年賀のアルバイトが切手デザイナーに

 いつだったか、郵政省の郵便切手をデザインをする部署に勤めている人の記事が載っていました。「いったいどうやって今の仕事に就いたのですか?」と聞いてみたいし、さぞかしいい大学、つまり有名美大を出ているのではと勝手に想像していました。ところが、読み進めて見ると、なんときっかけは年賀はがきのアルバイトだったそうなんです。一応美大は出ていたけど、当時はちょうど仕事を捜している最中で、すぐに採用されて仕分けの仕事をしていました。その後もそのまま郵便局で仕事をしていたら、2年ぐらい過ぎたときに正社員登用制度があることを知りました。試しに試験を受けてみたら合格して正社員になれたのです。さらに何年か経って仕事にも慣れてきたときに、社内で「切手デザイナー募集のお知らせ」を見かけました。もともと絵を描くのは大好きなので、「好きなことを仕事にできたらいいなあ」とやる気が湧いてきました。ダメもとでチャレンジしてみたら幸運にも合格しました。本人も思いもよらなかった運命が待っていたわけで、まさにドラマみたいです。

耳なし芳一』のような荷物とは

  切手にまつわる投書で面白いと思ったのは、受け取った郵便物を息子さんがまるで「耳なし芳一」の荷物だと形容したお話です。母親が息子さんのために外国に荷物を送りました。書籍がたくさん詰まったミカン箱ほどの大きさの荷物です。郵便局に持って行ったら、送料が2万もかかると言われて眩暈に襲われました。その時、思い浮かんだのは家にある亡母が集めた大量の切手で、なんとその方は切手を箱にびっしりと貼ったんです、底を除いたすべての面にです!ここまでくると、どんな状態が想像つきますよね。大量に貼られた切手をまるで和尚さんが芳一の身体中に書いた経文に例えているのです。芳一を亡霊から守るための処置でしたが、耳にだけ書くのを忘れてしまいました。それで耳だけは取られてしまったという落ちが付きます。それにしても息子さんが驚いたのですから、その荷物に関わった人からすれば、「なんだ、こりゃ!」です。みんなを振り向かせずにはいられない珍しい荷物だったことは間違いありません。

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