人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

理想はウエステインホテルでの一夜

今週のお題「自分にご褒美」

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これまで健康でいられたことが奇跡

 実を言うと、1年の終わりを前にして、「よくぞ今まで何とか生きて来られたなあ」と思うのです。かつてないほどの閉そく感と移動の自由を制限されて、精神を病むことなく、どうにかならずにいたことが我ながら不思議です。平常心を維持しようと心の健康にいいと言われることは何でもやってみました。まずは早起きし家を飛び出して散歩すると、誰も歩いていない道が爽快で気持ちよく感じられるのです。散歩するなら朝早くがお勧めと何かの本に書いてありましたが、その通りで間違いありません。人はいったん座って落ち着いてしまうと、立ち上がるのが億劫になってしまうものです。ところが、おかしなもので動かないと気が滅入ってしまうことも事実なのです。だから朝の散歩だけでは到底足りなくて、気分転換のつもりで家から遠いスーパーに行ったりしました。なるべく規則正しい生活を心がけ、味噌や納豆などの発酵食品を取るように努めました。これは発酵学者の小泉武夫さんの持論ですが、御自身の経験から言うとウイルスから身を守ることができるそうです。

エステインホテルに泊まりたい

 正直言ってこの先どうなるのか、私はもちろん、誰にだって予測はできないと思うのです。必ず感染病には終わりが来ると言うことはカミュやデフォーの『ペスト』を読むとわかるのですが、それが1年後なのか2年後なのか、いつなのかわかりません。そして私たちの生活はどうなってしまうのか、予想するのも怖いのですが、わずかな光でもいいから希望を持っていたいのです。だから、もしできるのなら、(実現は難しいのですが)ウエステインホテルに泊まりたいのです。以前親戚の結婚式のときに偶然泊まることになった東京の高級ホテルです。

 何が素晴らしいのかというと、部屋が広いのはもちろんですが、窓が驚くほど広くて大きいのです。普通のホテルの部屋とは比べ物にならないほど天井が高いせいなのです。あの夜12Fの部屋の窓際にあるソファに座って何気なく外を見ていました。夜景というよりは、夜空を、もちろん映画のような満天の星も花火の演出も何もないのですが、なぜかとても幸せな気分になれたのです。それにとても落ち着きました。結婚式と披露宴の喧噪の後だったからなのか、しばし日常から離れた別世界に浸っていたのです。壁がなく全面スケルトンの窓から見下ろすと自分は地上から離れた空間にいるのです。地上で抱いている負の感情なんて、どうでもよくなりました。日常のもやもやを忘れられたのです。

自分へのご褒美は実現不可能なのだが

 比べるのは何か変ですが、こういった体験は飛行機の離陸のときと似ている気がするのです。要らない荷物を、重い荷物を地上に置いてきたような、解放感に溢れた、ホッとしたような気分で満たされるのです。考えてみると、今までホテルに泊まって夜部屋の窓から外の景色を眺めるなんて!そんなことはしたことはありません。大抵はどこも窓が小さすぎて、そんな気にもならなかったのです。でもパリでは奮発してバルコニーのある部屋に泊ったら、予想外の爽快感を味わえて新鮮だったのを覚えています。いずれにしても、私が欲しい自分へのご褒美は実現できそうにもありません。だから、ふっと湧いたような幸運のせいで買った本『旅の効用 人はなぜ移動するのか』を楽しむことにします。著者が私をスウェーデンはもちろん、インドやヒマラヤ山脈にまでも連れて行ってくれるのですから。

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