人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

増税と奨学金

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新聞に増税の文字が

10月1日に消費税が10%になって、新聞の夕刊には大きく増税の文字が書かれていました。1日午前0時にインタビューした人の中には青森出身の女子大学生の姿もありました。カラオケ店「カラオケの達人」から出て来たその人は親からの仕送りはなく、奨学金と居酒屋のアルバイトで生活していました。10万円ほどで生活するというその人はカラオケが数少ない娯楽なのだそうです。前から増税までに来ようと決めていたらしく、「もう当分来られないかな」とそうつぶやいて新宿駅へ足早に向かって行きました。その奨学金という言葉で4月のある日を思い出してしまいました。あれは大学の新学期が始まろうとしている桜の季節の午後でした。大学のオリエンテーションが始まっているらしく、一目で新入生とわかる人たちを大勢見かけます。私がちょうどカフェでお昼を食べていると、二人の女子学生が隣の席に座りました。二人の話に聞き耳を立てていたわけではないのですが、二人の話を聞いたおかげで「現代の大学生」の現実を知ることができました。

同じ高校の人は誰もいない

二人は初対面でどうやらオリエンテーションで知り合いになったようです。共通しているのは二人とも同じ高校の人は誰もいないことです。あちこちで同じ学校出身の人達が親しげにしている中でふたりは自然と仲良くなったようです。「知らない人ばっかりでどうしたらいいかわからないよね」とうなづきあって、だから「一人じゃ心細いからこれからよろしくね」と励ましあっていました。ひとりの子は予備校でも同じ高校の人がいなくて、「わたしはずう~っとひとりだったから、もうひとりには慣れたの」と言っていました。頑張って勉強して有名大学に入っても、同じ高校から入学したのが自分だけだったとしたら、想像以上に心細いものなのですね。「ひとりには慣れている」と自分では言っていても、疎外感には耐えきれず、やはり誰かを友達を求めるのです。

奨学金を貰ってアルバイトで生活

もう一人の子は夜行バスで何時間もかけて大学までやって来たそうです。夜行バスが一番安いからでお金を少しでも節約したいそうなのです。何県出身なのかはわかりませんが、遠い故郷からはるばるひとりでやって来て大学の寮に入るそうです。家からは仕送りはしてもらえないらしく、奨学金を貰って生活費はアルバイトで何とかする予定です。アルバイトは大学で紹介された家庭教師で、頑張れば生活できると健気です。彼女を見ていると、これからの自分の未来に希望を持っていて、それを疑いもしない強さも同時に併せ持っています。彼女の瞳は希望に満ちていて、不安よりも自信を持ち、断固とした決意を感じました。そして自分の若い頃にそんな自信があればよかったのにと羨ましく思いました。しかし奨学金というのは、借金であることには間違いなく、未来に重い借金を背負わせることになるわけです。聞くところによると、米国の大学は日本の大学よりも授業料が高いそうで、奨学金の返済も500万円近くになるそうです。だからその返済に要する年月は何十年にも及ぼそうです。あのオバマ大統領のミッシェル夫人も返済を終えたのは夫が大統領になる直前だったそうですから。

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