人生は旅

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大人げない教師を子供は見ている

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

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大人が子供に感情的になるとき

 はっきり言って、私は年齢的には十分に大人の部類に入るのですが、精神的に大人かと問われるとはなはだ疑問なのです。個人的には大人が子供と違うのは、我慢ができることと物事に対する分別があることだと思うのです。その分別の中でも、子供に対して大人がとるべき態度はなかなか思うようにはいかないのが現実です。大人なのに、どうしてあんなにも感情的になってしまうのか、たかが子供相手に本気で怒ってしまうのか。後で冷静になって考えてみると、我ながら恥ずかしい限りです。感情をコントロールするのが大人なのにと、自己嫌悪に陥ったことが何度もあります。どうやら相手が子供であることを忘れてしまうようです、ひとたび怒りのスイッチが入ると。子供は何と言っても正直ですから、胸にグサリと突き刺さることを平気で言うのです。手加減なしで言ってくるのですが、それを真に受ける大人は愚かというしかないのです。

 「ふん、子供がまた悪態ついているな」ぐらいに軽く受け止めれば、相手になどならないのです。しかし、それも気分のいい時ならまだしも、嫌な気分の時に果たしてそれができるものなのか。普通の人間はその時の気分に引きずられ、この時とばかりに自分のストレスを晴らそうとするのです。子供に怒るのではなく、それとなく諭すのがベストな対処法だそうですが、普通の人間には難しいのです。

教師が生徒に大人げない態度を

 昔テレビドラマで武田鉄矢さんが教師役を演じていた金八先生はこう言いました。「親」という漢字は、人が木の上に立って下の方を見ている様子を表している。つまり親は子供と同じ位置にはいないのだが、いつも子供のすることを見守っている存在なのだ。親は海のような広い心でいつも子供のことを暖かく見守っている、それがあるべき姿なのだ。そして自分たち教師も親と同様に、君たち生徒のことを常に気にかけているのだと。

 金八先生の言葉を思い出したら、自分の中学生時代のことがふと思い浮かびました。あれは数学の時間でした。先生が教科書に載っている問題の解き方を生徒に説明していました。その時教室の後ろの席に座っている2~3人の生徒がふざける声がしたのです。それで先生は「需要なところかだからちゃんと聞きなさい」と注意したのです。ところが生徒のひとりが「こんな簡単な問題は説明しなくてもわかるのに」と返しました。その子は学年でも成績がトップクラスの子なのでさぞかし退屈だったのでしょう。正直に思っている気持ちを言葉にしただけのこと、なのに生意気盛りの男の子の言うことを先生は真に受けてしまったのです。先生が烈火のごとく怒ると、生徒も反論し始めたのです。この時の先生は、私たち他の生徒が大人げないと思うほど理性を失っていました。果たしてそんなに怒ることなのだろうかと、みんな困惑していたのです。その時の先生がたまたま女性だったのは何か関係があるのか、そこのところはわかりませんが。

 一方で、理科の時間に誰かが大あくびを堂々としました。あくびをする声が教室中に響き渡りました。誰もがもっとそっとすればいいのにと思っているのは明らかです。さてさて先生はどう対処するのか、と静かに見守っていました。すると先生は「○○君、あくびをするなとは言わないけれど、もっと気を使ってくれないなあ」と笑って言ったのです。そう言われた生徒は苦笑いをし、それをみていた私たちも大笑いしました。この時の先生は生徒を叱責するのではなく、お願いをしたわけなのです。真面目に授業をしているこちらの身にもなってくれと暗に仄めかしたのかも知れません。いずれにせよ、この時の先生の生徒に対する態度はいかにも大人らしい対処の仕方と言えるのです。

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