人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

外国のトイレ事情と愉快なイタリア

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日本ほどトイレが充実している国はない

 詩人の四元康佑さんはミュンヘンに25年住んでいて、街中にトイレが少ないのを嘆いているひとりです。たしかに、日本と比べると、常にトイレの心配をしなければなりません。しかし散歩好きでもあり、長年の経験から市内のトイレマップは頭に入っているそうです。しかも、有料ではなく無料でこっそり使えるトイレの場所を完璧に把握していることを「ミュンヘン生活の最も貴重な成果のひとつ」だと断言しています。

 私も初めて行ったイタリアでは常にトイレの心配をしていました。旅行のガイドブックには「店に入ったら必ずトイレに行っておくように」と強調して書かれていました。日本と違って、街の中には公衆トイレと言うものがないので、常に心の準備が必要です。日本なら、本屋、ショッピングモール、スーパーなど、どこでだって利用できるのに外国ではそれが可能なところはわずかです。それも有料で、でもあるだけでもありがたいです。

どうやったら水が出るのかわからない

 イタリアのローマのテルミナ駅でトイレに行ったら、入り口には順番を待つ人の列ができていました。やっと入り口まで来たと思ったら、そこにはトイレの番人が待っていてお金を要求されました。切符のようなものを渡されて、中に入ってまた順番を待っていると、周りから「ロト、ロト」と誰かが言っている声がします。「何だろう?」と不思議に思っていると、ひとつトイレが空きました。私の順番になって入ろうとしたら、みんなが私を止めるのです。つまり壊れているらしく、親切に教えてくれたのです。

 トイレに入ってみると、なんと便器が貝殻の形をしていて、それまで見たことがないタイプのトイレでした。ヨーロッパには珍しくしゃがんで用を足すトイレです。白い陶器の貝殻が珍しくて、面白くて、「これがイタリアなんだ!」とカルチャーショックを受けました。そして、手洗い場で手を洗おうとしたら、どうやって水を出したらいいかわからないのです。日本でするように蛇口の下に手をやってみても出ないので違うようです。かといって蛇口をひねるタイプでもないのです。隣の人を見てみたらわかりました。蛇口の上についている円いわっかを上に引っ張り上げればいいのです。

 それからはバールやレストランなどいろんなところでトイレに入って、様々なタイプの手洗いを経験しました。水を出すには、レバーを押す、引っ張り上げる、なのですが、時には蛇口の隣についている謎の黒いボタンを押すと水が出ることがあります。今までで一番わからなかったのは、洗い場の下にあるペダルを踏んで水を出すタイプです。

トイレに閉じ込められる

 トイレに関しては「ひとりだったらどうなっていたか?」と思う体験をしたことがあります。あれはクロアチアの小さな港町で、あまり知られてはいないのですが、ザクザクある金貨が見られる博物館で有名なところです。そこでトイレに入ったら、鍵が回すタイプで、外に出ようとしたらもとに戻せなくて出られなくなってしまいました。日本でいうとスターバックスで見たことがあるタイプのカギでした。その時は友達と一緒だったので、幸運にも近くにいる人に助けてもらえました。回すタイプのカギは中はねじだけですが、外側にはコインが入る溝があります。その方が機転を利かせてコインで回したらカギが開きました。家族で見学に来ていたお父さんに感謝です。それ以来、トイレに入るときはあの時の閉じ込められた恐怖を思い出しました。それが10年も経つともう忘れかけているのですから不思議なものです。

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