人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

タワーマンションと災害

f:id:mikonacolon:20200331133751j:plain

高層階に住むことは「富の象徴」

 私のタワーマンションに対するイメージは、富の象徴であり、そこの住人は素晴らしい景色を独り占めできる特権を持つことができます。毎日、いつだって高層階からの眺めを自宅に居ながらにして楽しめることに優越感を持つのも当然でしょう。

 韓国ドラマで、女優として頂点まで上り詰めた主人公が高層階のマンションのバルコニーから外を眺めています。そして自分の今の暮らしに満足して、「やっとここまで上り詰めたのよ、いまさら下りるわけにはいかない」と達成感を口にします。彼女にとって高層階に住むことは「成功の象徴」に他ならないのです。「ここまで来るのにどれだけ大変だったか、誰にもわかるわけない」、その言葉には自分への自負であふれています。

タワーマンションは修繕費が2倍かかる

 集英社新書の「限界のタワーマンション」榊淳司さんの著書を書店で見つけました。なぜ、限界なのか、何が問題なのかを知るために読んでみました。まず、タワーマンションとはどんなタイプのマンションを言うのか、正しい定義は20階以上の鉄筋コンクリート造の集合住宅のことです。著者は冒頭で、取材を重ねるごとに、「タワマンという住形態がかなりのレベルで不完全かつ無責任」なものだということが分かってきたと断言する。

 例えば、その建築上の宿命として高額な保全費用がかかり、修繕費は普通のマンションに比べて2倍以上である。さらにその額は築年数を重ねるごとに膨らんでいくのだ。外壁の修繕工事を行わなければ雨漏りが発生しやすい建築構造になっているらしい。しかも修繕のための積立金が不足したら2回目以降は銀行から借りることになるはずだ。そのとき住民の合意がなければ住環境が悪化して、多くの人が退去する事態にもなりかねない。そうなれば資産価値がさがり、廃虚化するだろうと予測する。

 美しい夜景が自分の家の窓から見られる、そんな夢のような生活が毎月の家賃で手に入るらしい。それで、ある共働きの夫婦は希望に燃えてタワーマンションを購入するのだが、これから先に彼らに経験するであろう困難には不動産会社はほとんど言及しない。むしろ彼らは真実を知らないほうが幸福であるとの考えらしい。考えてみれば、限りあるスペースの土地に何百戸の住居があってこそのタワーマンションであり、不動産会社にとっては利益を産む最も売りたい物件なのだという。しかし、著者は今の日本の住宅事情の中でもうタワーマンションは必要ないという。

災害に弱いタワーマンション

 去年の10月の台風19号による大雨で武蔵小杉のタワーマンションが浸水被害を受けました。それで、住みたい街ランキングで上位の神奈川県の武蔵小杉が順位を下げたとか。浸水したマンションは停電と断水に見舞われエレベーターも動きませんでした。またタワーマンション上下水道は電力の供給を前提としており、電力によってポンプを稼働させ、水道水を上層階まで押し上げています。だから水道が止まればトイレが流せなくなります。飲料水の確保だけでも大変なのに、水洗トイレを機能させるための水量は飲料水の5倍は必要になるそうです。いやはや、これでは衛生環境の悪化が心配になってしまう。何日も生活しなければならなくなったらと想像するだけでも恐ろしいです。最悪の場合は外にある仮設トイレを使う方法もありますが、それもエレベーターが動かない限り不可能だと思われます。

 そして、東京の湾岸エリアについていえば、埋め立て地なので大きな地震がくるとトイレが使えなくなるそうです。液状化のためですが、ただ地面から地下水が噴き出すだけではありません。地中に設置されている上下水道管を破壊してしまいます。そうなると、水道から水がでなくなるだけでなく、排水も不可能です。水があったとしてもトイレが流せないということなのです!液状化の恐ろしさを初めて知って大変勉強になりました。

mikonacolon