人生は旅

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回転寿司の思い出

今週のお題「寿司」

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友達に連れられて行った初めての回転寿司に感激して

 私はそれまで寿司屋というものはカウンターに座って注文するものと思っていました。兄や親戚の人に連れて行ってもらうのは昔ながらのお寿司屋さんだったからです。でも、テレビや新聞の広告などで寿司がクルクル回って出て来る寿司屋さんができたことを知りました。これまでの寿司屋の常識を覆したような、安くて、誰にでも入りやすい店だというではありませんか。初めから値段がちゃんと決まっているのですから、安心して食べることができます。噂だけは聞いていて、機会があればぜひ行ってみたいと思っていましたが、残念ながら私の住んでいる近くにはありません。わざわざ電車に乗って、遠い所に行く気にもなりません。どんなところか想像して好奇心だけが募ったまま、日々の忙しさで忘れかけていました。そんなとき友達から電話で回転寿司に行こうと誘われました。

 当時彼女はマンモス幼稚園の先生をしていて、ちょうど仕事場の近くにスシローがありました。彼女が勤めている幼稚園に案内されると、まず迎えてくれたのは長い首を伸ばして優しそうな顔をしているキリンさんでした。隣にはぞうさんもいてにっこり笑いかけています。何だ、これは!一見して幼稚園というよりはまるでテーマパークだと思えないような雰囲気に仰天しました。中を覗くと、園児が遊ぶには広すぎる園庭があり、なんだか面白そうな遊具がたくさんありました。もしも子供が連れて来られたら、一目で気に入ってしまうくらいの魅力がそこにはありました。ところがそこで働く彼女にとっては、その広い園庭が悩みの種でもありました。幼稚園は掃除専門の人を雇っているわけではなく、掃除は彼女たち先生の仕事だったからです。

 そんな忙しい日々の中で唯一ホッとするのは帰りの時間です。同僚とその日に会った出来事をあれこれ話をしながら帰ります。電車の駅から幼稚園までは歩いて15分以上かかり、朝はともかく帰りはお腹を空かせたまま歩かなければなりません。ある日空腹に耐えられず、スーパーでおにぎりを買って、歩きながら食べてしまいました。それに味を占めて、買い食いを2~3回繰り返しました。そしたら、保護者から「先生が何か食べながら歩いていた」と通報されてしまいました。園長から厳重注意された友達は駅にある貸し自転車を利用してできるだけ寄り道をしないことにしました。そんなときでした、通勤の途中にあるビルの2階にスシローが開店したのは。早速同僚と食べに行きました。一皿100円からで、自分の好きなネタを食べても一皿200円なので、財布を圧迫することもなく安心して楽しめます。

 当時の回転寿司はレーンの上に自分の好きなネタがなければ、口頭で注文するという方式でした。それが今ではカラフルなパネルがあり、ケーキやアイスコーヒー等のメニューもあって、もはや寿司屋さんだか何だかわからなくなりました。先日久しぶりに会った親戚の夫婦と回転寿司に行きました。たしか「はま寿司」とかいう店でしたが、最初は小さな子供がいるのに「ここでいいのか」と躊躇しました。でも彼らは普段から行き慣れているらしく「ここがいい」とどんどん店の中に入って行きました。私たち家族が勧めるより前にパネルを使って自分たちの好きなものを注文していきます。

 でも子供は何を食べるのだろうと不思議に思っていたら、なんとうどんでした。うどん!うどんをどうやって子供に食べさせるのかと唖然としていたら、母親がバッグからハサミを取り出しました。2歳になる子供のために、バックから取り出したハサミでチョキン、チョキンと切り始めたのです。すぐに夫の方も手伝ったので全部食べやすいように切り終えました。子供はうどんが好きらしくモリモリ食べます。親は寿司を楽しめるし、子供も満足で一石二鳥と言うわけです。それからは、デザートにいちご大福だとか、プリンとかをお腹いっぱいになるまで注文しました。そんなわけで、ちょっとお茶でもと食べた後に他の店に行く必要もないのです。回転寿司の店一軒だけで済んでしまうのですから、考えようによっては安く済みます。それにふと食べたくなった時、ひとりでも気軽に入れる雰囲気が気に入っているのです。

 

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