人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

忘れられない猫の思い出

今週のお題「ねこ」

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姉御肌の美猫チーちゃん

 旅先の駅の本屋でふと手に取って立ち読みした絵本が、本屋大賞の絵本部門で第一位とは正直驚きました。「なまえのないねこ」という題名で、ストーリーはシンプルなのですが、読後には心に何か暖かいものが残りました。きっと、この本の絵のセンスのよさに秘密があるのかも。

 私の中で「猫」と言えば思い浮かぶのは「チーちゃん」です。うちのお嫁さんが実家から連れてきた雌猫で本当に美しい美猫でした。白と黒の雑種で目は緑で輝いていて、毛並みがよくて鼻もきれいなサーモンピンクでした。人間でいえば、美人で気が強く奔放で怖いもの知らずです。猫にはふつう縄張りがあってよそ者は馴染むのが難しいそうです。でもチーちゃんはすぐに新しい環境に溶け込んでいたようです。雌猫というのは、ほとんどの猫が飼われている家でおとなしくして居るものなのです。なのにチーちゃんときたら、雄猫と同様に家を出て1週間ほど帰ってこない時があります。心配しているといつもふらりと姿を現して家族は安心したものです。美しい顔には無数の傷がついていて戦いの跡が残っています。身体も薄汚れていて美人が台無しです。ある時などは田舎の草むらを駆け回っていたのか、頭の上に枯草の山を付けて帰ってきました。まるで枯草の帽子を被ってキョトンとしている姿にみんな爆笑してしまいました。お嫁さんが抱き上げて「チーコ、いったい今までどこにいたの」とぎゅっと抱きしめるのですが、チーちゃんにはその気持ちがわかったのかどうか。そして”出張”から帰ってしばらくすると、乳首がピーンと張ってきます。「チーコ、お前は子供ができたのね」とお嫁さんが気づきます。

リビングでの猫の戦い

 最初はチーちゃん一匹だったのですが、だんだんと数が増えるとそれぞれ個性があるので面白いことが起こります。その当時は猫屋敷と呼ばれてもおかしくないほどになっていましたが、現在のような揉め事はないおおらかな時代でした。ある時、うちのトラ猫が外に遊びに行って帰ってきたと思ったら、よその猫を連れてきたのです。それもお友達ではなくてケンカ相手をです。ちょうど玄関のドアが開いていたので2匹はリビングに入り込みました。テーブルをはさんで睨み合いが続き、ソファの背もたれの上でお互いに「ウァオ~」と唸っています。

 そしたらよその猫がいきなり空中を飛んでトラに襲い掛かってきたのです。それでトラも応戦し2匹の猫は空中でぶつかり合いました。そりぁもう、ものすごい迫力でした。その時はじめて猫って飛べるんだということを知りました。2匹はその後カーペットの上で激しい戦いを繰り広げていたんです。こらえきれずに「やめなさい」と私が大声を出したのでよその猫は退散しました。実をいうと、それまで私は息をひそめて2匹の戦いをハラハラドキドキしながら見ていたのです。よその猫が去ったあと、うちのトラは怖かったのか震えていて粗相をしてしまったのです、それも大きいほうのを。それでトラが見かけによらず弱虫だと言うことがわかったんです。

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