人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

知らなかったフレッツ光のこと

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全く取り合ってくれない相手を説得するには

 私は今まで光回線というのは電話線がなければ繋げないと勝手に思っていた。というよりも「電話線があれば、当然のことながら光回線は繋がる」と解釈していた。どうやら電話線と光回線はセットなのだと誤解していたのだ。なぜそんなことに気が付いたのかというと、市営住宅に引越してありえないトラブルに見舞われた友人のおかげというしかない。部屋に電話のジャックがあっても配線が来ていないという前代未聞の出来事に友人が遭遇したせいで、果たして光回線というのはどうやって繋ぐのだろうかと言う疑問が湧いてきた。恥ずかしながら今までそんなわざわざ知らなくてもいい?ことを考えてみる機会はなかった。ネットが繋がったら、それは当たり前のことで、別に喜ぶべきことでも何でもなかった。

 だが、友人は現在、世間で言う当たり前のことが思うようにならない事態に陥っていた。あまりにも信じられない状況なので、現実に起こっている事態を(担当者は現状を目の当たりにしたわけではなく、依頼した業者の報告を聞いただけなので)わかろうとしないのも無理はない。後になって、友人は過去にNTTから届いた「フレッツ光の開通のお知らせ」の封筒を捜して見てみた。すると、その中に「工事をする前に確認しよう」という重要事項説明書を見つけた。読んでみると、室内への光ケーブルの引き込み方法が3種類あることが分かった。通常は電話線の配管を利用して引き込むそうで、それがない場合はエアコンの室外機に通じるエアコンダクトの穴を利用できる。それもない場合は壁に穴をあけて、穴と言っても大きさは約1㎝で言いそうだ。いずれにせよ、光回線をどうしても利用したいのであれば、諦めて自分だけ我慢する必要などないわけだ。つまり、方法はひとつではないので、もしも望めば道は必ずあるはずなのだった。

 では、話をしても到底こちらの話を真摯に聞こうとしない、すべて「原則としては」を多用して、当方の仕事の範疇ではないとかわしてくる相手をどう説得するか、それが難題だった。公社のお客様センターの管理を担当するその人に、その気にさせるにはどうすればいいのだろうか。公社にもNTTにも相手にされずに絶望のどん底にいた友人は夫に相談した。聞くところによると、同じ団地に住む自治会長の部屋にはちゃんとフレッツ光が引き込まれていると言う。どうしてうちだけ駄目なんだ!と激怒した夫は仕事中にもかかわらず公社に電話をかけた。はらわたが煮えくり返っているのをなんとか宥め宥めて、冷静になって担当者と話をした。最初は友人にしたような冷たい態度だった。ところが夫が「それでは貴方はもういいですから、誰かもっと話が分かる人に代わってもらえませんか」と丁重に言った途端、相手の態度が驚くほど変わった。

 そこで初めて、担当者は電話の向こうの相手の話を親身になって聞こうとした。先日伺った業者に確認してみますと言って、いったん電話を切って後でかけなおすと約束してくれた。仕事に熱中していた夫は不在着信が溜まっていることに後から気づいて担当者に電話した。その時は別の人が出たので、わざと「あの人は何もわかっていないので、えらい迷惑をしているんだ。誰かもっとわかる人間がいないのかねぇ」と苦情を言うのを忘れなかった。つまり、煩い奴、ひとつ間違えば面倒なことになるかもしれないという危機感を相手に抱かせたのだった。ここまでみっともないくらいに騒がなければ、取り合ってもらえないのも情けないことだが、人の困りごとを自分事として感じられないのだろう。ただ、「貴方ではダメだから、別の人をお願いします」というのは相手の自尊心を逆なでする言葉であることは明らかだ。

 結局、友人の部屋にはようやくフレッツ光が引き込まれ、ネットが使えるようになった。まるで夢のような出来事と口で言うわりには、顔には笑みがない。本来なら3月1日に繋がるはずが、やっと最近実現したことに戸惑いは隠せない。でも今度のトラブルで、相手に自分の困りごとを説明するにはそれなりの知識が必要なのだと痛感した。そして、安易に妥協して、自分が我慢すればいいだけのことだなんて絶対に思わないことだと言っていた。

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