人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

初めてテレビショッピングを利用しました

今週のお題「最近、初めて〇〇しました」

騙されたつもりでいたら、予想外に大満足

 いつも、スカパーでプロ野球中継を見ているが、以前はCMなど全く入らなかったのに、最近ではちょくちょくCMが入る。それらの数あるCMの中で、家人が最も気になって仕方がないのが、クジラの大和煮の缶詰だった。CMでは何とも美味しそうなクジラがたっぷりと入って、脂がのっている様子が映し出され、生唾がでるのを抑えられないみたいだ。あれを買ってみたらどうだろうかと思ってはみるが、いやいや、あんなのはCMでだけのことで、実際は似ても似つかない代物が送られてくるのだろう、などと、疑心暗鬼だった。クジラの大和煮の缶詰は36缶で11,794円で、CMではしきりに激安でお得だと訴えている。いつも買うか買わないかで、心の葛藤が巻き起こっていたが、すぐには行動に移せないので、そのうちに忘れて終わりだった。

 だが、先日は違った。きっぱりと買うと決めたようで、家人の意志は固いようだ。私がいつものように、「もしも買って、その缶詰がとんでもないものだったら、あとの35缶はいったいどうするの?」と脅してみても、全く動じない。品物は確かだから、そんな心配はいらないの一点張りだった。そうか、それなら、私の出る幕はもうない。後は品物が送られてきて、身をもって真実を知ってから、後悔するなりしてもらうしかない。それに、嬉しい誤算で、家人の選択が正しかったとしたら、それはそれでめでたいことだ。

 なぜ私がそんなにテレビショッピングに懐疑的なのかというと、実家で食べたおせちに理由の一端があった。実家に住む義姉のミチコさんは、2年続けて、テレビショッピングのおせちで失敗をしていた。最初のおせちは具材が一つ一つ真空パックに入っていて、とても衛生的だった。だがそれらを取り出すのに、予想外に時間がかかり疲れてしまった。家にあったお重にすべて詰め終えたときには、もう今度からは注文しないと固く心に決めていた。次のおせちはというと、今度は絶対に大丈夫とミチコさんは私に太鼓判を押した。今度は最初からお重に詰まっているから、面倒臭くないから安心していいよと言った。おせちに付いていた見本の写真はいかにもおいしそうだが、目の前にあるおせちは残念ながら、上っ面だけは、体裁だけは何とか整えてはいるが、中身は似て非なるものだった。見本に騙された!卒直な言い方をすれば、そういう表現が最も適切だ。これでは、たいして食べる物がないではないか。こんな物でも一万円以上することに驚きを隠せない。なんでも、少し割引が効いて、その値段なのだとミチコさんは言う。

 話をクジラの缶詰に戻すと、実を言うと、私はクジラに全然興味がなく、食べたいとも思わない。家人が食べ終えた缶詰を片付ける時に、缶の中にこれでもかというくらい脂が残っているので、とても気持ち悪い。「こんなもの、よく美味しそうに食べるね」と呆れて言うと、「その油は、見た目より、しつこくなくさらっとしている」と宣った。さらに、「その脂にはちゃんと美味しい味が付いている」などと援護したかと思ったら、「その脂を炒めものに使ってみたら」とアドバイスしたから、こちらは仰天した。まさか、まさかの事態である。無駄に長く生きてきたが、缶詰の脂を料理に使うだなんて聞いたことがなかった。

 どうなったって知らないわよとばかりにやけになり、牛肉とキャベツ、玉ねぎの炒めものにクジラ缶の脂を入れて野菜炒めを作って出した。様子を陰から窺っていると、何と家人の第一声は、「うん、美味しい、やっぱり美味しいよ」だった。結果は家人の勝ちだった。家人の予想が見事に当たり、クジラ缶の脂は捨てるにはもったいないような最高の調味料に変身した。クジラ缶の脂がこんなにも使い物になるとは、まさに目から鱗だった。

mikonacolon