人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

古着を買うのが習慣に

今週のお題「おうち時間2021」

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NHKまいにちフランス語のテキストのグラビアから。
抵抗なく古着を買う自分に驚いて

 最近は自分が着る服を店で、まともな値段で買うことがめったにありません。その理由は都心の店舗に行かなければ手に入らないからです。下着や靴下等は近くのスーパーで買うことができるのですが、洋服を売っている店はないからです。ネットの通信販売を利用すればいいのですが、やはり自分の目で直に見て買うのと比べると、失敗することが多いので躊躇してしまいます。では、どこで買うのかというと、家から遠いスーパーに行く途中にある古着屋です。ファッションハウス「レモン」と言って、たしか3年ほど前にできた店です。そこは月に一度銀行にお金をおろしに行くのに通る道なりにありました。銀行の勝手な事情で便利な場所にあったATM がなくなってしまったからです。

 その店ができた当時、私は全く古着屋に関心はありませんでした。まだ若い頃、友だちから山のような洋服を「もう着ないからあげる」と言われて貰ったことがありました。それで、何か着られるものがあるかなあと思って一枚ずつ着てみました。ウキウキして試着を始めたのですが、どれもこれも、着心地が悪かったり、鏡に写してみるとパッとしませんでした。なるほど、だから友達も要らないと言ったのかと納得したのでした。そんな経験から、人が要らないから店に売った物なのだから、ロクな物があるわけがないと決めつけていました。それに通るたびに、中で人が一生懸命、品定めをしている姿を見ては、いつも「時間の無駄だ」としか思えなかったのです。一枚105円だとしても、大事な自分の時間を探しものに使うなんてことは、大きな損失だとしか思えなかったのです。外から見てもわかる、ハンガーに掛けられてポールにギュウギュウ詰めになっている夥しい数の洋服たち、それらを一つ一つ、真剣な表情で熱心に見ている大勢の人たち、正直言って、ものすごく疲れる作業ではないかと思いました。お得な品物を見逃すまいと、他に向けたほうがいいとさえ思う集中力を注ぎこむその姿に圧倒されました。でも、まだこの時はまだ自分が彼らの仲間になるなんてことは知る由もなかったのです。

 ある日、気分転換についフラッと店内に入ってしまいました。普段からきっと気になっていたのでしょう。店内にはポールにタグが付けてあって、メンズとかレディスやキッズの分類がしてあり、ちゃんと服が探しやすい工夫がされていました。ちょうど季節の変わり目なので、シャツが欲しいと思いました。それで探してみると、やはりとても着て歩けないような色合いの物が多くて、諦めかけました。でも地味で無難な紺と白の格子柄のシャツを見つけてそれを買うことにしたのです。それはユニクロのラベルが付いていて、着てみると何ら問題はありませんでした。「どうしてこれが気に入らないのだろう」と売った人のことを思ったら、なんだか不思議な気持ちになりました。誰かにとって要らない物が私にとっては必要な物になる、それは価値観や物に対しての感じ方が人それぞれだということに他ならないのです。

 いずれにせよ、時間ができたからこそ、宝探し的な気分で古着屋に入ることになったのです。これって、人間は何か面白い事を常に捜しているせいなのか、あるいは心に余裕があるせいなのか、私の場合は暇つぶし兼気まぐれでしかありませんが。とにかく、それ以来、古着屋というものを見直して、なかなかの掘り出し物があるお得な場所だと思うようになりました。でも、目的もなく行くと、やたら疲れることになるので注意が必要です。最初にシャツを買った時も、その日は満足感でいっぱいだったのに、夜寝る頃には「今日はなんか疲れることしたっけ」だなんて言って、疲れていることに気づかないのだから笑ってしまいます。

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