人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ワクチン接種の風景

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2回目は再予約ってありですか?

 近所に住む65歳の女性、山本さんが自治体からの接種券を受け取ったのは5月21日でした。封を開けてみると、ワクチンの予約は6月3日からだとパンフレットに書いてありました。よく読んでみると、2回目の予約は1回目の接種を終えてからまた再度予約しなければならないのです。これには「どうして?」と戸惑いを隠せませんでしたが、まずは1回目の予約を取らなきゃと心の中で不安を打ち消しました。2回目のことを考えるより前に1回目の予約を確保しなければ話にならないからです。あれこれ考え、自分勝手に想像しているうちに6月3日になりました。午前8時半からの受付ですが、最初はアクセスが集中すると思い、9時を過ぎた頃にダメ元で電話してみました。固定電話は制限されているらしいと聞いたので、スマホでかけました。予想通り「電話が混みあっています。しばらく経ってからおかけください」と虚しい応答の声が聞こえました。

 やはりネットで予約するしかなそうです。早速ワクチンのサイトを開いて、「予約はこちら」をクリックしました。でも次に出る画面は「ただ今、アクセスを制限中」で2,3回試してみてもその先には進めませんでした。それですぐに諦めて、仕事に戻り、再度アクセスすることにしました。何回か試みて、もう嫌気がさしてきた頃、やっと接種の場所、日にち、時間等を選択する画面にたどり着くことができました。部屋の時計を見ると、11時を過ぎていました。どうやら集中するアクセスの隙間に潜り込んで、偶然にクリックしたおかげで予約を取ることができました。それも6月30日という最後の日で、この日を逃すと6月分はもう終わりなのです。では予約を取れなかった人はどうなるのか、どうしても自然と疑問が湧いてきます。ワクチンに関しては早い者勝ちというのは、どう考えても理不尽な気がします。

 今朝、激しい雨が降りしきる中、ゴミを出しに行ったら山本さんに会いました。右手で傘を差しながら、左手でごみ袋を持っているのですが、なんだか辛そうです。「どうしたの?具合でも悪いの?」と尋ねると、「左腕が痛くて、上がらないの」とため息をつきました。昨日1回目のワクチン接種に行ってきたそうで、打った直後は別に何ともありませんでした。15分ほど椅子に座って様子を見た後、問題なければ帰って構わないのです。会場は市役所の4階で、行きは4~5人乗ればいっぱいになってしまうエレベーターに二人で乗り込みました。でも帰りは待つ気にならず、階段を駆け下りて帰りました。

 山本さんが心配していた2回目の接種予約については杞憂に終わりました。接種を終えて、係員に促されて待っていると名前を呼ばれました。接種証明書発行と書かれたブースに行くと、そこに座っていた人が「あなたの2回目の接種の日にちは自動的に予約されています」と言うではありませんか。正直言って、安心して解放されたような気分になりました。もしかしたら、家に急いで帰ってまたパソコンと格闘しなければならないのかと暗澹たる思いだったからです。ワクチンの種類はファイザーなので、2回目はきっちりと3週間後の7月21日でした。接種の間隔はワクチンの種類によっても違うようで、親戚の男性はモデルナ製だったので4週間後でした。

 その男性からワクチン接種の話を聞いていた山本さんは、アレルギーのことを気にしていました。問診で男性は「何か今までにアレルギーを起こしたことはありますか?」と聞かれました。彼は昔鯖を食べてじんましんが出たことがあると正直に話しました。そういう体質の人は普通の人より長く様子を見たほうがいいらしく、椅子に腰かけて30分ほどぼうっとしていました。でも、家に帰ってからは自分ほどには腕がひどく痛んだりすることはなかったのです。それで、山本さんは自分はエビアレルギーなのだけれど、大丈夫なのかと尋ねました。医師の話では今までの予防接種で直後に具合が悪くなった経験がなければ問題ないとのことでした。

 実際に接種を受けてみて、何ともないと喜んでいたら、2時間ほど経ったら左腕がじ~んとなりました。「あれ?」と思ったら、たちまち腫れぼったさは痛みに変わっていきました。腕をあげてする動作が辛いのです、例えば洋服の脱ぎ着、髪を束ねる時、あるいは何かを両手で支えるときなど、利き腕でなくても不便で仕方ありません。1回目を終えた山本さんの今の心配事は2回目の時に起こる副反応の発熱のことです。間違いなく自分は熱が出るという予感がするからです。通っている歯科の先生によると、熱さましは何でもよいわけではなく、カロナールがいいそうです。どこの家庭にでもあるバアファリンなどは効き目が強すぎるので使わない方がいいのです。カロナールは子供向けの熱さましに使われていて、市販もされています。山本さんは2回目の接種に向けて万全の準備をしようと決めました。

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