人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

見返りを求めない父親の愛

今週のお題「お父さん」

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▲ここのアジサイは毎年美しい花を咲かせてくれます。

父が一番可愛かったのは兄だとわかった

 「父が一番可愛かったのは私じゃなくて兄だったとわかったの!」知人があるときこんなことを言っていたのです。知人は5人兄弟の末っ子で一番かわいがられたと思っていました。でもそれは思い違いであることがわかったというのです。彼女には兄が二人いるのですが一番上の長男が父親が一番愛する息子だというのです。親にとって一番初めの子供、それも男の子はよけいに可愛いものなのでしょうか。長男と父親は特に仲が良かったわけでもなく、どちらかというとあまり話をしなかったそうなのです。思いだすと父親の方が子供の機嫌を伺っていたような気がするのです。長男は父親のいうことを聞かず、それでも父親は子供を叱ることはありませんでした。

 高校生になると当時はオートバイ、今でいうバイクが流行っていてみんな親に買ってもらっていました。長男も早速免許を取ってバイクを買ってもらいました。あの頃バイクは危ない乗り物でよく事故で若者が死んでいた記憶があります。どこの親も息子が可愛いので欲しいとねだる物は買ってやりたくなるのです。そんなに危険と分かっているのにもかかわらず親バカなので買い与えるわけです。そんな状況の中で長男が事故にあわずに無事でいたのは幸運というしかありません。

父は何でも許してくれた

 知人は末っ子なので結婚した時は父親も喜んでくれました。この時母親はすでに病気で亡くなっていたのでなおさらです。父親がいろいろと贈り物をくれるので、知人も父の日や誕生日などにはお返しをしていました。つまり父親の気持ちに応えようとしたというか、機嫌を取ろうとしたわけです。実は知人はそれまで父親に反抗して家出を2回ほどして都心に逃げ出しました。お金が無くなって生活に困ると家に舞い戻りました。そのたびに父親に引っ越し代を払わせ、謝りもせずに平気で家に帰ってきました。それでも特に叱られたことはないそうなので甘やかされていたのです。また着物に関心を持っていたら呉服店の勧誘に乗せられて高額のローンを組んでしまいました。結局払いきれず50万円ほど父親に払ってもらうことになりました。こうなると本当に親はありがたいですね、他人ではこうはいきませんから。

いくら使われても構わない!?

 知人の父親が肺がんになって病院に入院した時のことです。もうその時は病状がかなり進んでいて強い痛み止めを使っていました。そのため時には意識が朦朧とすることもあったそうです。長男が病院に来た時に父親が銀行の通帳を渡し、お金をおろして来てくれるよう頼みました。そしたら頼まれた金額だけでなく、それとは別に7万円も下ろしてきました。そのことが後になって発覚して知人たち兄弟は怒りが収まりませんでした。ところが当事者の父親は勝手に自分のお金を使われたのに気にもしていませんでした。知人たちが「許せない!」と憤慨しても、「別にいくら使われても構わないよ、親のお金なのだから」と笑っていたのです。その時は父親の言葉の真意を理解することはできませんでした。でも自分が親になって子供を育てるうちにだんだん親の気持ちが分かるようになりました。それで知人はようやく「父親にとっては長男が最愛の息子だったのだ」と悟ったというのです。

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