人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

眠りたい、でも眠れない

今週のお題「眠れないときにすること」

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マドリード近郊にあるエル・エスコリアール。NHKまいにちスペイン語テキストから。

眠れない夜は悩ましすぎて、どうすればいいの?

 過去を振り返ってみると、大事な時にはなかなか眠れませんでした。例えば、入学試験とか大事なプレゼンの前日とか緊張を強いられるようなときは、なんだかドキドキして、失敗しないかと不安でいっぱいなのです。でもそんな時だからこそ、たっぷり睡眠をとって、無い頭でも働くようにしておかないといけないのです。睡眠不足だと実力を発揮できないのではなくて、私の場合はそれなりに普通にやり遂げることすらできないわけです。眠らなきゃ、眠らなきゃと呪文のように唱えるのに、いっこうに眠くならず、なんだか眼が冴えてきました。そして、とうとう起きる時間まで後2,3時間しかなくなってしまいました。もうそうなったら、今度は起きているしかありません。危くうとうとしてしまったら、眠りこけてしまい、寝すぎてしまうかもしれないからです。またその頃になると嘘のよう眠気が襲ってくるものなのです。目覚まし時計など全く役に立たないので、睡魔と戦って何とか起きているしかないのです。

 また旅行に行って、朝早く出発する列車に乗らなければならない時も同様で、ぐっすり眠れたことがありません。特に海外なのですが、もし乗り遅れたら、えらいことになる、つまり一日に何本も本数が無いのでその先の予定が狂ってしまうからなのです。「何としても、この列車に乗る」と決めているので今まで逃したことは一度もありません。なぜ早朝の長距離列車を選ぶかというと、目的地に明るいうちに着きたいからです。辺りが暗いと自力でホテルにたどり着くのが難しいからでした。でもそのうち、旅慣れてくると、タクシーを使うようになったので、無理をしてまで朝一番の列車に乗る必要は無くなりました。最初は海外でタクシーに乗るのに抵抗があったのですが、人を信用するようになったおかげで今では平気になりました。だから、移動するときに乗る列車は、ホテルで朝食をゆっくり食べても間に合う時間の便と決めているのです。

 眠れなくて困るという話を以前同僚としていたら、そのうちの一人が「私はいつも眠れないので、睡眠薬を飲んでいるの」と言ったので仰天してしまいました。明るくて人当たりがよく、悩みなどないかのように傍目には見えた彼女が、睡眠薬を常用していたのでした。昼寝などしないのに、夜になると眠気が襲ってくるのに、布団に入ると目が覚めてしまうのです。眠れなくて辛すぎる、でも本当の辛さは他人にはわかっては貰えません。悩んだあげく病院に相談に行き、睡眠薬を貰ってきて飲むようになりました。睡眠導入剤というのは聞いたことがありますが、彼女が飲んでいるのは本物の睡眠薬でした。慣れてくると、自分で加減がわかり、飲んでから何時間後に目覚めるかがわかるのだそうです。驚くべきことにほとんど毎日のように薬を飲んでいて、だからこそ朝起きて会社に来て仕事ができていたし、規則正しい生活ができているのでした。

 そういえば、いつもは遅刻などしない彼女が会社に遅れて来たことがありました。始業時間を過ぎても現れないのでどうしたのだろうと心配していました。しかも何の連絡もありません。やっと姿を見せた彼女は慌てた様子でひどく動揺していました。何事かと思って聞いてみたら、「いつもの時間に目が覚めなかったの!」。どうやら薬の量を間違えて飲んだらしく、それで寝過ごしたらしいのです。時計を見たら、もう真っ青になって、会社に連絡を入れるなんてことは頭にありませんでした。とりあえず服を着て一目散に飛んできたのです。

 昨日の日経の夕刊に載っていた歌舞伎俳優の尾上松緑さんのエッセイの題名は「ネガティブな皆さんへ」でした。その内容はご自身とその仲間である読者へのエールでした。ネガティブでも大丈夫で諦めることないからという応援メッセージだと受け取りました。ただその中で気になったのは、「以前は心療内科にかかっていた時期もあった。睡眠薬はまだ使うことは多いけどね」で、一瞬ギョッとなりました。華やかな世界で活躍する人は私たち凡人には考えもつかないような悩みを抱えているのが垣間見えた気がしたからです。

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