人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

WEBで出版するという選択肢

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

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▲アルゼンチンのウマワカ渓谷にあるプルママルカ村。NHKまいにちスペイン語7月号から。

新聞で見た記事に触発されて、WEBで出版しようとしたが

 昨日新聞を見ていていたら、『今こそ、自分史。』とあって、「執筆サポートコース」16万5千円(税込み)と書いてありました。大人気と控えめな文字が添えられていて、どうやらこの値段は半年間の料金のようです。自分で原稿を書きたいがうまく書けない、当たり前です、突然文章を書こうとしても慣れていないので無理なのです。子供の頃から几帳面な性格で日記でもつけるのが習慣になっている方以外は、どう書いていいかわかりません。簡単な文章だって、いざ書こうとしたら戸惑ってしまうのです。一番得意な日本語なのに、そんなはずないのにとショックを受けて穴があったら入りたくなります。普段使い慣れているメールで使う言葉の羅列では到底足りません。どうしたらいいのかひとりで途方に暮れてしまいます。

 そんな文章難民のような方達のために、ベテラン編集者が手取り足取りサポートしてくれるのがこのサービスの利点です。16万5千円が果たして高いのか安いのかは個人の問題ですが、自分史を本にするという強い意志を持った方はそんなことは気にしないはずです。何と言ってもその方が求めるのは、どうしても欲しいのは達成感に他ならないからです。高揚感に溢れている人がお金のことなど気にするはずもありません。一方で、別の側面から見ると、サポートする側は大変かもしれませんが、感謝されるやりがいがある仕事です。こんなふうに野次馬的な見方しかできないのですが、実際には話を聞きだしていたら、自分で書いた方が速いのにと思ってしまう、などと言う場面に出くわすことも多々あるのではないでしょうか。注意事項として、小さな文字で「半年間の受講で必ず原稿が完成するわけではありません」と付け加えてありました。

 自分史の話題を書いたのは、昨年朝日新聞のReライフという記事でWEBで小説を出版した女性の話が載っていたからです。その人は以前教員をしていた60代の女性で、以前から書き溜めていた小説がありました。それは子供時代を過ごした故郷の福岡を舞台にした少年の成長物語でした。いつかは自分の小説を出版してみたいとは思っていましたが、積極的には行動できずに時だけが過ぎて行きました。そんなとき、あのアマゾンで無料で出版できるサービスがあることを知りました。もちろん本づくりを手伝ってくれる有料のサービスもあるのですが、時間があるので自分でやることにしました。

 2カ月かかりましたが、なんとか自力で完成させて、1冊100円の値段をつけました。本が売れているかどうかなんてその方には関係ありませんし、記事にもそのことは言及されていません。ただ何かをやり遂げた達成感で一杯で、そのことだけで満足なのです。「無料で出版できる」と知って目から鱗だった私は、何を思ったか、自分もやってみようと思ってしまいました。まずはアカウントを作るのですが、それはアマゾンで買い物をするときに使うものでいいのです。それから出版サービスに登録するためにはローヤリティを受け取るために銀行口座を作らなければなりません。本が売れたときのための利益が振り込まれるらしいのですが、すべてWEB銀行なので、新しく口座を開設しなければなりません。

 銀行の一覧を見ると、ローソン、セブンイレブン、三井住友WEB銀行などがありました。その中から、どこにでもあるというイメージが強いセブンイレブンを選びました。申し込んでから1週間経ってカードを受け取ると、すぐに出版サービスに登録しました。ところが、いざ本作りを開始しようとすると意外なことに躊躇してしまうのでした。noteに5年間も文章を投稿しているのに、全く利益が出せていない友達や昔自費出版した本が戻ってきたりした人たちのことが頭に浮かんできたのでした。やはり、自費出版は自己満足でしかないのかもしれないと思い始めました。そんな本に値段をつけること自体なんだか変で、しかも売れたら運がいいとしか思えません。それに誰が自分の本に興味を持って覗きに来てくれるのだろうかと想像すると気が遠くなってしまいます。宇宙にある無数のカケラの一つが自分の本だと考えた方が何だかしっくりくるのです。

 WEBだと姿が見えなくて不安になりますが、その存在を忘れていられる点が好都合でもあります。リアル出版だと姿かたちが見える分、達成感が得られて最高です。でも巣立った息子や娘が戻って来るのには閉口するように、本も出戻りは嫌なのです。

mikonacolon