人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

働く理想の大人の女性とは

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

f:id:mikonacolon:20210116210932j:plain

町から振り袖姿が消えて

 今年の成人式は中止になったところが多いそうで、私が住んでいる町でもほとんど振袖姿の女性は見かけませんでした。それでも、テレビの報道番組では艶やかな着物姿の女性が友達と仲良く記念写真を撮っている様子が放送されていました。成人式は中止になっても、自分なりに記念に残しておきたいのでしょう。振袖が着られるチャンスはめったにないので、その貴重な機会を逃したくないという理由からです。思えば、私の姪も着物にものすごくこだわって、絶対着たいと言い張って周りを驚かせたものです。どうやら記念日というものが大好きで、写真に撮って記憶しておきたいらしいのです。スマホで写真を撮るのが大好きで、若いのに社会の常識に意外と素直に従う、そんな姿を見ていると、なんだか自分とは違いすぎて不思議な気がします。

 世の中の常識に抗う、そんな生意気なことばかり考えていた私とは違って、姪の世代はうまく適応して生きる術を心得ているかのようです。かと言って、今の世の中に不満が無いわけでもなく、ただそれを言ってどうなるのと諦めているかのようです。自分たちなりに精一杯楽しく生きる、そんな生活を目指している、そんな感じなのです。

20歳の頃の理想の大人の女性とは

 思えば、私が20歳ぐらいの時は大人の女性というものに憧れたものです。その時の「大人の女性」と言うのは、やはりドラマの中のキャリアウーマンと呼ばれるようなカッコイイ女性のことでした。打ち込める仕事を持ち、自分で部屋を借り、自ら車を運転する、そんな自由で思いのまま生きている女性です。こんなことを書くと、我ながら恥ずかしい限りです。なぜなら、いかに自分が物事の上っ面しか見られない浅はかな人間なのかが明白だからです。自分が進むべき道が未だにわからず、霧の中道に迷っている放浪者のような自分、そんな状況の中にいたからこその安易な発想でした。

 それに傍目には思いのまま生きているかのように見えた理想の人も、どうやら多くの悩みを抱えているようなのです。やりがいがある仕事、自分にとって生きがいともいえる仕事のはずだったのに、心が折れてしまうことがありすぎてしまう。それでもドラマの中の話なので、現実とはちがってうまく展開するわけです。困難な局面でも何とか切り抜けてしまう、そんな見事な手腕を見せつけられると、さらにカッコイイと思えてきてしまうのです。

見終わって爽快な気分になるはずが

 さて、実際に働く現場に放り込まれてみると、ドラマほど何もかもが単純ではなく、複雑な事情が絡み合っていることがわかってきました。事実は小説より奇なりとよく言われますが、まさにその通りです。その点から言うと、ある日の新聞の夕刊に載っていた映画の記事には目から鱗でした。その映画評に書かれていたのは「ヒロインが爽快でカッコよすぎる」という感想でした。日本では聞きなれないロビイストという特殊な仕事をしている女性が主人公で、彼女の会社での活躍と私生活が赤裸々に描かれている映画でした。その記事に興味を持った私は早速映画を見てみました。ところが、映画を見て感じたのは、彼女の仕事の過酷さとそのストレスによる私生活の悲惨さだけでした。ひとかけらほども「カッコイイ」とは思えないし、映画を見た後はただ重苦しい気持ちになっただけでした。世にいう高収入の仕事なのかもしれませんが、日々自分の命を削っているような仕事です。そのおかげで彼女のメンタルは崩壊寸前なのに、辞めるという選択肢はないのです。これから彼女はどうなってしまうのか、映画なのに本気で心配になってしまい、あまりの後味の悪さが意外だった映画でした。

mikonacolon