人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

若いのにFIREする人たち

20代、30代でFIREして、お金は大丈夫?

 いつもは滅多に新聞のテレビ欄なんて見ないのに、その時は何か気が向いたのだろう。番組表を見ていたら、NHKのEテレの『ねほりんぱほりん』という番組でFIREという言葉を見つけた。FIREと言うのは早期退職して、株の配当かなんかで働かずに優雅に暮らす人たちのことだと思っていた。自分には関係ないかと思ったが、なぜか気になりだして、一応ビデオ予約しておいた。今から思うとそれが正解だった。なぜなら番組を見たら目から鱗で、とても勉強になったからだ。人間にとっての幸せはひとつじゃない、一人ひとり違っていいのだと思えた。

 私は知らなかったのだが、この『ねほりんぱほりん』という番組はもう6年目に入ったそうで、人間でなく動物の人形のみが登場するのが特徴だ。ちなみにMCの山里良太さんとYOUさんはモグラの人形で登場した。今回は豚のぬいぐるみのふたりがゲストで、20代のAさんと30代のBさんだった。FTREと言うのは3つのタイプがあるそうで、以下にあげると次のようになる。

ファットFIRE

 一生働かずに暮らせる十分な資産があり、裕福な生活をしている人

サイドFIRE・バリスタFIRE

 資産を築き、リタイアした後は好きな時に働き生活費の足しにする人

リーンFIRE

 少ない資産で贅沢せずに生活する人

 

 番組ではリーンFIREの中でもギリギリの生活を送っている二人に話を聞いた。これがまた想像以上に面白くて、30分はあっという間だった。まずは一番気になるお金の問題については、Aさんは900万円の投資信託を買って、その利益で生活している。ちなみに投資信託とは投資家に代わって運用のプロが投資を行い、その成果を投資家に還元する金融商品だ。MCの山里さんが、この額ではこれから先ずっとは心もとないのではと指摘すると、その通りだと即答した。それで今は投資信託を増やすことを考えているところだが、この人の生活がまた驚きに満ちている。

 いくら田舎とはいえ、ネット込みで家賃一万円の所に住み、食費は月一万円。一カ月の生活費は4万も行かないと言うから、とても普通の人間の生活とは思えない。その秘密を尋ねると、なんと家から一歩でれば、土手に野草が溢れている環境だった。つまり彼にとって土手はスーパーの野菜売り場に相当し、つくし、のびる、よもぎ、ぜんまいと何でもゼロ円で手に入るのだ。毎日のメニューはワンパターンで、正直言って普通の人にとっては耐えられないほど質素だ。それなのに、Aさんは今の生活に満足していると即答したので仰天した。毎日好きなアニメを見て過ごすという彼にとっては、野草を食べて節約してまで守りたいもの、それが今の生活なのだ。FIREするきっかけは会社に行く生活が帰りのバスで涙が出るほど辛かったから。それほどまでに誰もが当たり前のようにしている生活が耐えられず、自由を熱望していたからだ。

 FIREを決意する前には何度も何度もこれからさき月いくらあれば生活できるか、エクセルで計算をした。集めていたグッズを売ったり、最大限の節約を試みて、なんと彼女まで断捨離した。その結果何とか900万円貯めることが出来たので、FIREすることにした。

 一方のBさんもAさんと同様に涙ぐましいくらいの節約をして3千万円を貯めて、株を買った。株は購入金額の3~4%の配当金や株主優待が得られる。3千万円分の株があれば、毎年100万円の配当金を得られるのだ。つまり、毎月8~9万円で生活できれば、会社を辞められると考えた。生活費の内訳は事故物件に住んでいるので、家賃は半額の2万円程度で済み、食費は月5千円!?、ええ~!?安い、安すぎると思ったら、それには秘密があった。B さんは毎日飲食チェーンの株主優待券で食事していた。財布の中から取り出したのは、ファーストフード店、牛丼、コーヒーチェーン、たこ焼き店などの優待チケットがごっそり。すかさず、MCの山里さんが「優待券のない他のお店にも行きたくなりませんか」と突っ込むと、「あります。でもお金を使うと後で後悔するので行きません」と即答した。さっぱり分からないが、お金を使うことにひどく敏感になるものらしい。Bさんも今の生活は、会社に行っていた頃よりははるかにましだしとても満足していた。

 正直言って、株の配当で生活するなんて、私にとっては夢のまた夢の世界の話だった。だが、番組で普通の人たち?がちゃんと立派に生活している話を聞いて、「なんだ、本当にできるんだ」と夢から覚めた気分だ。優雅とはいかないまでも、決して多くない金額の範囲でやっていけること自体が素晴らしい。となると、若い人がiDeCoやNISA等の投資を始めるのも防衛反応としては当然だ。必ず将来の年金の足しになると考えるからだが、それにはまずお金を貯めることが肝心だ。

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