人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

SSサイズのキャリーケース

今週のお題「買ってよかった2024」

想像以上に便利で楽だった

 私が今年買ったものの中で、一番買ってよかったと思うものは、SSサイズのキャリーケースだ。正直言って、買う前は、こんな小さなものが果たして役に立つのだろうかと半信半疑だった。荷物がたいして入らないことは重々承知で買おうとしたが、躊躇しながらも買ってしまったのには、やむにやまれぬ事情があった。実を言うと、これまで海外旅行に行くのに、リュックサックを使っていた。自分に必要な荷物は自分で持つべきという考えに従ったら、荷物は必要最低限であるべきだった。そう言ったポリシーは今までは通用したが、現在の状況には全く合わなくなった。必要なものは現地で調達というのが原則だったが、今やそのつもりでは右往左往してしまうのが落ちなのだ。

 例えば、食べ物に関して言えば、お金があれば、空港でもどこでも何でも買えるはずだった。だが、昔と違って、何か買いたいと思っても気軽に買える値段を遥かに超越してしまっていて、手が出せない。どうしても必要なミネラルウォーターを5ユーロで買うのがやっとこさなのだ。となると、いったい何を食べたらいいのだろう。ひもじい思いをぐっと耐えて、機内食に望みをつなぐしかないのか。そう思ったら、邪魔になるかもしれないが、とりあえずのつもりで日本から持ってきたお菓子があったことに気が付いた。まさに”地獄で仏”に遭遇したかのように気持ちがパアッと明るくなった。”安い日本”などと揶揄されてはいるが、この際そんなことはどうでもいい。心底有難かった。

 それが去年のコロナ禍が終わった直後に行った海外旅行でのことで、それ以来、私の持って行く荷物に対する考え方が180度変わった。どう変わったかというと、荷物は持てるだけ、できるだけ多く持つべきだと言う結論に至った。以前の私からしたら、眉を顰めるような途方もないことだが、これも厳しい現実に柔軟に対応した対策だった。荷物はできるだけ少なく、かつ、軽くあるべき、という以前のような考え方では、現地でたちまちひもじい思いをし、イライラを募らせるだけだと思い知った。

 できるだけ荷物は多く持って行きたいが、それを運ぶのは自分だ。となると、従来のリュックサックでは私の軟な身体では耐えられない。皆が引いている大き目のキャリーケースは、私にはお守りができない。駅の階段の上り下りに四苦八苦し、機内での荷物の上げ下ろしが自分でできない。それなら初めから、リュックサックを背負った方がましと考えて、これまでリュックサックで通してきたが、突然ある問題が浮上した。

 それは私の身体が老化傾向にあるのだろうか、重いのは無理と悲鳴を上げた。いや、海外旅行に行く以上、荷物は自分で持って行かなければならないのは重々承知している。それなら、少しでも背負う荷物の負担を減らせないだろうかと考えたとき、SSサイズのキャリーケースが頭の中に思い浮かんだ。あれくらいの大きさなら、自分でも十分機内の棚に上げられるし、駅の階段でもなんとか持ち運べる。(もっとも、機内ではいつも自分でやろうとすると、いつも横から誰かの手が出てきて手伝ってもらえるのだが)それでも人に頼らず、自分で何でもやるが私のモットーだ。

 SSサイズのキャリーケースなんて、たいして入らないと馬鹿にしていたが、実際に使ってみるとそうでもないことが分かった。今までリュックの中に入れて背負っていた重いものをすべてキャリーケースに入れた。お米14日分、炊飯器は入らないので、変圧器、分厚い辞書等の背負ったら肩にズシンと来るものを押し込んだ。おかげでだいぶリュックサックは軽くなり、爽快な気分になれた。基本的に私は荷物を預けない方針なので、全て機内に持ち込む。私がいつも利用するフィンエアーは手荷物は2個までOK なので、リュックサックとSSサイズのキャリーケースなら大丈夫だ。

 要するに、今までリュックサックに詰めていた荷物を2つに分散して持って行ったおかげで、信じられないほど快適な旅行ができた。SSサイズのキャリーケースは思ってもみなかった幸せを私にくれたのだ。

mikonacolon