人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

読書

自分の親に読んでほしかった本

大人にも自分自身の感情を扱う練習が必要 この本のことを知ったのは、新聞の新刊書のコーナーで、世界46か国で200万部のベストセラーになっていると書かれていた。「子どもとの関係が変わる」との副題も付いていて、俄然、興味津々となった。そうなると以前…

想像を絶する『楽園』の世界

商売のための旅は命がけ 以前2021年のノーベル文学賞を受賞したアブドゥルラザク・グルナの著作『楽園』をどうしたものか、困っていると書いた。主人公の少年ユスフが父親の借金の方に商売人のサイイドに売られるところから始まる物語だ。何を困っていたのか…

きみへのおくりもの

見ているだけで、幻想的な世界に没入 先日の土曜日に、図書館に予約していた本を取りに行った。家から最寄りの図書館は歩いて20分ほどで、正直言ってわざわざ行くのが面倒臭い。だが、ただで本が読み放題の恩恵に預かれるのならこれ幸いと、視点を180度変え…

『楽園』をどうしようか、迷う

我慢しても読むべきか、それともすっぱり諦めるか 私は今とても迷っている、今読んでいる本をどうしようか。その本は2021年のノーベル文学賞を受賞したアブドゥル・グルナの『楽園』で、この本のことは新聞の新刊書の広告を見て知った。何と初の邦訳書と書い…

ひみつのたからもの

ねこの秘密は、なんとお魚が大好きなことだった! この豊福まきこさん作の絵本『ひみつのたからもの』は、偶然図書館サイトで見つけた本だった。ブログで既述した刀根里衣さんの『なにもできなかったとり』を検索していた時に、新着の図書の欄で見つけて、誰…

ねことことり

ぜひ手に取って、眺めて欲しい絵本 新聞の投稿欄に載っていた西田美子さんの記事のおかげで、私は今絵本に嵌っている。実を言うと、その2,3日前にとても惹きつけられる絵本の広告を発見した。それは『ねことことり』というタイトルの絵本で、「ねことことり…

いちばんしあわせなおくりもの

究極の幸せに気づかせてくれる絵本 昨日書いた西田美子さんの話の続きを書こうと思う。西田さんのお気に入りの3冊の絵本は、刀根里江さんの『なにもできなかったとり』と佐野洋子さんの『100万回生きた猫』、それと、この『いちばんしあわせなおくりもの』だ…

なんにもできなかったとり

こんな発想どうしてできるの?と驚嘆した そう言えば、最近全くと言っていいほど、絵本を読んでいなかった。そう気づかされたのは、朝日新聞の投稿欄「声」に載っていた、西田美子さんの「絵本がくれた 心にしみる幸せ」に目を留めたからだ。西田さんは自分…

千早茜さんの『魚神』

予期せぬ展開に戸惑いながらも、一気読み この本に出会えたのは、偶然だった。以前もブログに書いた、千早茜さんの『赤い月の香り』を読んでとんでもなく惹きつけられた私は、他の作品への興味を抑えきれなかった。直木賞受賞時点では、とても手が出なかった…

千早茜さんの『しろがねの葉』

読後感は、早く明るい場所に出たかった、が本音 正直言って、こんなに早く、この本の順番が自分に回って来るとは思わなかった。いうまでもなく、図書館で借りる本のことなのだが、確か半年前までは予約数は百幾つで、気が遠くなった。冗談じゃない、こんない…

ミドルノート

30代の女性4人のそれぞれの人生が興味深い 先週図書館から、予約した本が取置き中との連絡が来た。その本がこの『ミドルノート』だったが、不覚にもそれがどんな内容の本だったのか、思い出せなかった。なにぶん去年の10月ごろに予約したせいで、すっかり忘…

菜食主義者

とんでもない話、こんなことよく書けたなあ、と絶句 実を言うと、この韓国の作家であるハン・ガンの『菜食主義者』の感想をできる事なら、書きたくないのが正直な気持ちだ。幸か不幸か、この本は自腹で買ったものではなく、図書館の本なのだから、そんなに身…

うるさいこの音の全部

不可解で、それなのにやたら胸がざわつく小説? 実を言うと、今の私は、この「うるさいこの音の全部」という小説の感想をさっさと終わらせたいと思っている。手っ取り早く済ませて、まあ、実際はそんな簡単にはいかなくて、無い頭を悩ませているのだが、次に…

いい子のあくび

なかなかの発想が面白い この「いい子のあくび」は、「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞を受賞した高瀬隼子さんの受賞後第一作である。私はこの本を公立図書館の予約サイトで見つけて、早速予約登録した。もちろん、本屋で見かけたことはあるが…

沢村さんちの楽しいおしゃべり

大好きだったはずなのに、今はちょっと退屈 図書館から、益田ミリさんの漫画の本を2冊借りて来た。書名は「沢村さんちのそろそろごはんですよ」と「沢村さんちの楽しいおしゃべり」の2冊だ。いずれの漫画も週刊誌の週刊文春に連載されたものをまとめたものだ…

羊飼いの暮らし  

▲2015年に世界的ベストセラーになった『羊飼いの暮らし』 偶然見つけたこの本は、読むと心が落ち着く この本との出会いは全くの偶然だった。近所にあるたいして使えない本屋の店先の新刊の棚に『羊飼いの想い、イギリス湖水地方のこれまでとこれから』と…

赤い月の香り

▲千早茜さんの直木賞受賞後の第一作『赤い月の香り』 正直言って、私は千早茜さんのことを、お名前はおろか、その存在さえも知らなかった。千早さんが、戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山を舞台にした小説『しろがねの葉』で直木賞を受賞したのをテ…

悪童日記を読んで

▲アゴタ・クリストフの『悪童日記』 途中で読むのやめようかと思った、内容が凄すぎて 『悪童日記』のことを知ったのは、この本の訳者である堀茂樹さんの記事を読んだからだった。新聞の文化欄にノーベル文学賞を受賞したアニ―・エルノーのことが載っていて…

『生殖記』を読み終えて

面白かった?と聞かれても返答に困る 朝井リョウさんの小説『生殖記』が7月3日で新聞連載を終えた。連載前の著者のコメントで、「おそらく、これまでとは違って、より自由で、想像もできないようなものになるはずです」と言っていたのを思い出した。読み終…

食べる時間を変えなさい

この本を読んだら、朝食が食べたくなる この本『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい』を読んだら、目から鱗だった。私はプチ断食という言葉を知らず、それが従来のカロリー制限ではなくて、食事時間制限法だとわかったからだ。つまり、前日の夕食…

ジョージ・オーウェルの動物農場

読み終わったら、豚と人間の区別がつかなくなって この本『動物農場』を知ったのは、ある日の新聞に載っていた凄惨な殺人事件についての記事だった。家で寝ていた女子大生は面識のない強盗に殺された。前途洋々だった若い女性の命があっけなく奪われたことも…

楠木正成は武略の天才

▲朝日新聞朝刊に連載されている『人よ、花よ』から。画は北村さゆりさん。 毎朝、朝日新聞に連載されている今村祥吾さんの小説『人よ、花よ』を楽しみにしている。と言うと、なんだか熱心な読者のようだが、実は相当に気まぐれなので、そのため一応切り抜い…

むらさきのスカートの女

明らかに異常な話、でも面白いので一気に読了 今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』をようやく昨日読むことができた。「できた」と言うのは、もうずうっと前に買って本棚に置いてあったにも関わらず、見向きもしなかったからだ。新聞の書評や出版社の広…

菊池寛「父帰る」

読んでみたら、胸に何か温かいものがこみ上げてきて そもそも菊池寛のこの「父帰る・藤十郎の恋」を手に取ったのは、日経の夕刊の『文学周遊』という記事を読んだからだった。この連載は文学作品の舞台となった土地を訪ね歩いて、その背景を今一度振り返って…

にんじん

読み始めたら、ページを捲る手が止まらない 最近になってようやく、この本、ルナアルの『にんじん』を買って読んでみた。もう長いこと、気になっていたにも関わらず、頭の片隅には居座ってはいるものの、実際に本を手に取る機会がなかった。本屋にはしょっち…

かいじゅうたちのいるところ

見る前と見て眺めた後では大違い! 最近なぜだか分からないが、無性に絵本が読みたくなった。そんなときはたいてい心模様が迷走中で、さながらストレイシープのようになっていることが多い。大好きだった中国ドラマにも飽きて、それでも無理して見ていたら、…

ドリトル先生航海記

▲この本はヒュー・ロフティング作の「ドリトル先生アフリカゆき」を始めとするシリーズのうちの一冊。 ドリトル先生って、いったいどんな人? ドリトル先生の名前は以前から知っていましたが、てっきり子供の本の主人公に過ぎないのではと思っていました。で…

僕はお金を使わずに生きることにした

今週のお題「買ってよかった2021」 お金に支配されずに自由に生きるためには 先日ふらっと本屋に立ち寄ったら、新刊書のコーナーに『僕はテクノロジーを使わず生きることにした』という題名の本を見つけました。著者はアイルランド人のマーク・ボイルという…

高慢と偏見

今週のお題「読書の秋」 ▲イギリスの女性作家、ジェーン・オースティン著の「高慢と偏見」。 お堅い本と思いきや、読んでみたら目から鱗で ジェーン・オースティンの名声もこの「高慢と偏見」という題名も何度も耳にしたことがありました。でもこのお堅い、…

行く,行った、行ってしまった

今週のお題「読書の秋」 ▲ピレネー山脈にあるゴーブ湖は標高1725mの氷河湖。NHKまいにちフランス語テキストから。 他人事が自分事になったとき、何かが変わっていく タイトルのジェニー・エルペンベック著「行く、行った、行ってしまった」は私がこれか…