
気にならない方法を見つけた
昨日いつものようにプールに行ったら、またあの「ウーアー」がやって来た。「ウーアー」とは以前のブログにも書いたが、知的障害者と思われる10代の男の子だ。その子は隣にある自由遊泳コースで泳ごうとはせず、私がいるウォーキングコースから離れようとはしない。「ウーアー」は体力を持て余しているのか、中腰になって水の中を歩いているのだが、そのスピードが凄まじく早い。歩きながらブツブツなにやら言っているので、自分の後ろに来られると、煩くて堪らず往生していた。最初のうちは誰かに話し掛けるように、そう、皆がよく携帯でしゃべっているかのようにブツブツ言っていた。だが、そのうち独り言にも飽きると、鼻歌のように「ウーアー」をくり返すのだ。聞かされるこちらとしては、「ウーアー」は騒音以外の何ものでもない。
もう、今日はやめて帰ろうかとも思ったが、いやいや自分の不自由な身体のことを考えたら、周りに振り回されるわけにもいかない。何とか「ウーアー」を気にせずに、自分の30分歩くという目標を達成できないかと考えた。すると、「ウーアー」よりも後ろの位置をキープすれば、それほど気にならないということがわかった。「ウーアー」よりも前にいると、彼は恐ろしく歩くスピードが速いので、すぐに後ろに来る。なので、「ウーアー』の声が聞こえたら、すぐさま方向転換して彼の煩い声から逃げるようにしてみた。周りの人の様子を窺うと、皆「ウーアー」を避けているようで、なかなか「ウーアー」から逃げるのが上手だ。私も皆を見習って、その戦略を真似してみた。
以前「ウーアー」に出会ったのはいつだったかとブログの履歴を調べたら、8月の初めだった。私が「ウーアー」に出会ったのはこれで2度目だが、彼はいつも一人ではなく団体でやってくる。指導者だろうか、先生かもしれない男性に連れられてやってくる。当然、水中ウォーキングのコースには彼の仲間もいて、皆それなりに静かにして歩いている。ときどき奇声を上げる子もいるが、それくらいは気にならないのでまだ許せる。だが、皆が静かに黙々と歩いているウォーキングコースでは雑音は邪魔になることは明らかだ。最初は気にしなければいいとさえ、思ってはみたが、やはりどうしても気になった。でももう大丈夫、今度「ウーアー」に遭遇しても、平常心でうまいこと切り抜けられそうだ。それにしても、なぜ「ウーアー」がプールに来るのは日曜日と決まっているのだろうか。いやそんなことは余計なことだ、気にしないようにしよう。
プールに来る人で気になるのは、男の人で上半身を隠すような水着を着ている人だ。以前こわもての男性が水中ウォーキングコースを歩いていて、ある時ちょっとした瞬間に着ていた水着がまくれ上がったことがあった。たまたまその人の後ろを歩いていた私は、見てしまった、腰のあたりにタトゥーがあるのを。確か市民スポーツセンターのプールの規則では、利用の際はタトゥーは隠さなくてはならないことになっている。
特筆すべきは、プールの更衣室の入口まで、カートにつかまりながら歩いていた高齢者の人や、杖を突きながら歩いている男性が、プールでは別人に変身することだ。彼らはひとたびプールに入れば、水を得た魚のように気持ちよく泳いでいるようなのだ。「ようなのだ」という言い方は、彼らが実際に泳いでいる姿を目撃したわけではないからで、プールでは彼らの姿を見分けることは不可能なのだ。なので、私はあくまでも想像したことをここで書くしかない。
なぜそう思うのかというと、私が水中ウォーキングをしている時には誰もいないことが多く、いわば貸し切り状態のことがあるからだ。それなら、先ほど見た人たちは一体どこへという疑問が沸くが、そうなると、彼らは颯爽とカッコよく泳いでいるとしか思えない。
mikonacolon