
大丈夫と楽観、だが現実はジタバタ
思えば、NHK第二の語学番組がFMに移行すると耳にしたのは、ちょうど1年ほど前だった。朝日新聞の投書欄『声』に、「もうラジオで聞けないなんて、どうしたらいいの。悲しくて一晩中泣き明かしました」と何やら、とんでもなく物騒なことが書いてあった。その時は事の重大さに考えが全く及ばず、「大丈夫、NHKの語学番組が無くなるわけないのだから」と投書の主の方を励ましてあげたくなった。心配しなくても、いつでもラジオで聞けるのだから、それに再放送だってあるのだから何もそんなに歎く必要はないのだと声を大にして言いたかった。
その時の私はのんきなもので、今までと同じように聞けるのだからと高を括っていた。だが、あともう少しで4月という時期に実際になってみると、想像以上に慌てふためき、以前の私の洞察力のなさを嘆きたくなった。3月のNHKの語学テキストを買った時点で、4月からのNHK-FMの番組予定はわかっていたはずだった。だが、他のことに夢中になっていた私は、番組表をたいして良く見なかった。ただ、漠然と4月からもちゃんとやるから何の問題もないのだと思いこんでいた。
ところが、4月を目前にして初めて、じっくりと番組表を見てみると、「たった、これだけ」と穴のあくほど凝視してみても、極端に番組数が少ない。要するに、これまで一日に何回も再放送があって、それが普通だとばかり思っていたので、椅子から転がり落ちるような衝撃を受けた。HNKの語学番組の視聴者の中にはライブで一日に何度も番組を聞いている方も大勢いる。そしてそれがもう習慣になり、毎日のルーティンになっている方もいる。この予定表のシステムでは、その方たちの今までの生活のリズムが損なわれてしまう恐れがある。
それに、驚くべきことに、英語以外の語学番組はなんと夜中の午前1時から2時台に集中しているという体たらく。おそらく普通の人はもう寝ている時間であり、どう考えてみても、ライブで聞くことなどありえない時間である。私などもアーリーバードで、毎朝5時に起きる生活が身に付いているので、当然レコーダーに録って後から聞くことしかできない。となると、これからは朝6時台の英会話を除くフランス語やスペイン語、ロシア語などの語学番組は、録音しないと聞けないことになる。まあ、今は語学アプリとかと言う便利なものがあって、「いつでも1週間は聞けます」と宣伝しているが、何のことはない、1週間経ったら消えてなくなる運命なのだ。永遠に保存しておくことなどできはしない。その時勝負で、後で聞くとかという猶予が全くないから、そうなると勉強したくなった時には役に立たないことになる。
そうなると、頼りになるのはラジオレコーダーだが、そのレコーダーも10年も酷使しまくっているものだから、この先いつまでもつのか分からないのが本当のところだ。悲しいかな、私が今使っているSONYのICレコーダーは何年も前に製造中止になって、もう買えない。幸いにも、その機種を2台持っていて、1台は録音専用に、もう1台は過去に録った語学番組を聞くために使っている。今のところはなんとかなるかもしれないが、いつまで使っていられるのか、その先が見えない。なにかラジオ番組を録れる機種は無い物かと必死で探してはみたものの、見つからず虚しいだけだ。
そんなとき、ヤフーの知恵袋で、群馬の藤岡市に家電を修理してくれる会社があるらしいという情報を見つけた。最近でも、東京新聞に古いワープロを修理してくれる人のことが記事に載っていた。あの芥川賞作家の津村記久子さんもそんな古い型のワープロの愛用者だとエッセイで読んだことがあった。因みに津村さんは今使っているワープロと同じ物を2台持っているそうで、今のところは何の問題もないのだそうだ。それでもそれらが壊れたときのことを想像すると頭を抱えてしまうのだと書いていた。
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