人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

黄金のオルドを見て勇気を貰う

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 ロシアを舞台にしたドラマが面白い

 動画サービスで「黄金のオルド」というドラマを見て楽しんでいます。13世紀のロシアが舞台で、あのモンゴル帝国のチンギスハンの孫のベルケが登場します。物語はその大ハンと呼ばれるベルケがルーシに甥のモンテ・ベルケを使者として送るところから始まります。「ルーシ」はロシア語でロシアの意味ですが、ここではベルケが支配する領地を指しています。そのルーシに対してペルシャと戦うための4万人もの兵を差し出すように命令してきました。その無理な要求に公主のヤロスノフは1万人が限度だと断ります。すると、モンテは公主の弟の妻のウスティーニャを差し出せば取引に応じると言うので、不本意ながらも彼女はベルケが待つ「黄金のオルド」という土地に連れていかれるのです。

 弟の妻を人質として差し出すのを見て驚きを隠せませんが、女性一人が3万人の兵と同じ価値に値すると言うのも不思議でなりません。事実、後でモンテはベルケから「命令に背いた」と大目玉を食らい、信頼を失うことになるのですから。女一人に血迷ったのかと非難されるのですが、ルーシの公主にとってはこれ以上自分の領地の兵を犠牲にせずに済んだのです。兵と言っても軍人ではなく、民衆からかき集めれた兵たちにすぎません。

 一方で、ウスティーニャという公主の弟の妻は一見聡明そうで、すべてを受け入れるかのように思われました。ところが、いざとなったら民衆の面前で泣きわめき、哀願してしまうというような、野心溢れる彼女の意外な一面を見てしまいました。最初はとても魅力的な人物に思われたので注目していたのです。でも、ストーリーが展開すると共に、どこかのドラマで見たことのある、自分の利益のためなら人殺しだって躊躇しない女性だとわかってがっかりしました。

女性なのに弓の名手のナスチャ

 このドラマで一番魅力的な女性は、なんと言ってもナスチャで石工のイワンの妻です。ルーシー人で夫が連れていかれて、その後を追って兵士としてオルドにやって来たのです。正直言って、見ているこちらはハラハラドキドキしました。女性なのにそれを隠して兵士となったのですが、信じられないことに「弓の名手」だったのです。その辺の男たちより兵士として優秀なので、すぐに頭角を現して重用されます。

 幸運なことに夫のイワンにも会えて、普通なら自分のことだけ考えればいいはずです。でも画家のニコルカを助けるために上官に頼み込んだせいで、一緒にはルーシに帰れないと主張するのです。正義感が強くて義理堅い、それに二人の子供の母でもあります。夫との愛も大切だけど、義理人情も忘れないナスチャに感心してしまいます。

勇気ある画家のニコルカ

 ニコルカは建設中のモスクに装飾画を描くためにオルドに連れてこられた画家です。ベルケの第三婦人アイジャンと愛し合うようになるのですが、そのことを隠そうともせず堂々としています。外見はおとなしそうな青年なのに、メンタルは鋼のようなのです。今風に言うと、典型的な草食男子に見えるのに、心は男前で頑丈そうです。例えば、何でも望みをかなえようと言われると、平気でアイジャンを妻にと言ってしまう。大ハン・ベルケの怒りに触れて処刑されそうになってしまうが、聖人が止めたおかげで命拾いをする。「あんたは命がいくつあっても足りないんだね」と呆れられてしまうほど怖いもの知らずのニコルカ。

 モスクにアイジャンの似顔絵を描いて投獄されたときには、さすがにこれでおしまいかと覚悟した。でも妖術師のおかげ仮死のクスリを飲まされて、死んだことになって牢から出された。やっと草原まで逃げて来たのに、アイジャンが心配なので戻りたいという。そもそも、ニコルカが何度も命拾いしたのは、彼の周りの人たちのおかげであり、彼の人間性のなせる業です。ニコルカには本当に驚かされるばかりで、外見とは違う彼の強さに視聴者は勇気を貰えたのです。

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