人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

「記憶 愛する人へ」とアルツハイマー

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 突然アルツハイマーと診断されて

 韓国ドラマの「記憶 愛する人へ」の中でイ・ソンミンさんは敏腕弁護士を自由自在に演じています。喜怒哀楽を見事に表現し、気分が高揚した時は口笛はもちろんスキップまでしてしまう、見ているこちらにまで「乗っているの」が伝わってきます。テレビ出演までこなす有名な弁護士なのですが、ある日記憶が飛ぶことが気になって友人の医師に診てもらうのです。そしたら自分がアルツハイマーであることがわかって、その時は世界の終りとでも言うように、絶叫して全身で絶望感を表現してしまう。酒をやめて、ジョギングでもしてストレスを減らすように言われるのですが、やめられない。

 なぜならやり手で人一倍稼ぐ弁護士の仕事は過酷だからです。精神的にも肉体的にも追い詰められているようです、第三者の目からは称賛意外の何ものでもないのですが。それに企業の顧問弁護士なので、勝つためには何でもやるのです。つまり相手の弱みを握り、脅して示談を持ちかけるのです。「人間は弱みのない奴などいない」と断言し、調べ上げれば、金銭的な悩みや他人には知られたくない秘密が一つや二つは必ず出て来るというのです。フェアでないことでも勝つためにやって来たからこそ、今の地位があるわけです。

サイモン・ベイカーの弁護士役を思い出す

 このドラマを見ていて、ふと思い出したのはサイモン・ベイカーの演じたニックという弁護士のことです。たしか、「ガーディアン」という米国のドラマで、やり手で年収が何百万ドルもある企業弁護士なのですが、ある日クスリで捕まり刑務所に送られる危機に遭遇します。幸運にも事なきを得たのですが、その代わり、更生プログラムの奉仕活動に従事することが義務付けられました。なんとそれは街の児童相談所で週に一度働くことで、今まで全く関わったことがない低所得者層の人たちの力になることだったのです。

 血も涙もない高圧的な人間のニックは、最初は嫌々ながら仕事をするのです。でも少しずつ変わって行って、ドラマはその過程が描かれていて毎回興味深いのです。ただ、お決まりのドラマの筋書きのように悪人が善人になるわけではありません。彼の仕事は弁護士であることに変わりはなく、ストレスを解消するために、飲酒はもちろん、積極的に見知らぬ女性とも関係を持ったりします。ドラマは面白いのですが、主人公のニックは到底好きには慣れない「嫌な奴」で、サイモン・ベイカーにも好印象は持っていませんでした。あるとき、飛行機で機内誌を見ていたら、時計のロンジンの広告が載っていたのです。ふと見ると、そこには豊かな金髪が美しい男性が微笑んでいて、なかなかのイケメンです。知らない人です、でもどこかで見たことがあるような、と考えてみたら、思いだしました。その男性はサイモン・ベイカーだったのです。いやはや驚きました。

アルツハイマーでも働ける

 以前書店で見かけた本はアルツハイマーになっても仕事を続けている方の体験談が書かれていました。たしか丹野さんという方で、30代後半の仕事に邁進していた時に突然発症してしまいました、でも周りの方の理解と協力のおかげで、今も当時と同じ会社の事務の仕事ができているのです。当時は車のセールスで営業成績第一位を誇った丹野さん、敏腕営業マンだった彼を悲劇が襲うところは、ドラマ「記憶、愛する人へ」と状況が似ています。ドラマはまだソンミンさんがアルツハイマーの症状に悩まされ始めて、ジタバタする段階です。まだ病気と折り合いをつけて付き合っていくのには時間が必要なようです。

 本を立ち読みして感心したのは、丹野さんが自分なりに仕事がスムーズにできるように工夫をしていることです。例えば、記憶が無くなることがあるので、自分がやるべき作業の詳細をノートにリストを作って、一目瞭然にしているのです。周りに迷惑をかけないように、確認を怠ることなくミスを未然に防ぐためです。それに加えて、もう1冊のノートにはその日の作業のチェックリストを作りました。

 丹野さんの本は「アルツハイマーになっても仕事ができる」のだとわからせてくれました。絶望しかないのではと思った人たちも私も目から鱗が落ちる思いです。要するに深刻に考えてもいいことなど一つもない、今できる精一杯のことをするだけ、と言うことなのでしょうか。

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