人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

アウシュビッツをどうするか悩む

個人で見学するはずが、それも怪しくなってきた

 10月に行く予定の旅行は最初ウィーンに行ってから、列車でポーランドに移動し、ワルシャワから日本に帰ることになっている。ウィーンはさておき、そもそもポーランドに行こうと思ったのは、死ぬまでに訪れるべき場所に行かなければならないと考えたからだ。人として自分の目で見ておくべき場所は、正直言ってあまり見たくない負の遺産で、目をそむけたくなる場所でもある。そう、それはアウシュビッツ強制収容所で、今の自分とは関係ないと無視することもできるが、やはり怖いもの見たさだろうか、好奇心を抑えきれない。もちろん、テレビ番組で過去に何度もそれらしき映像を見たことはあるが、到底自分事とは思えなくて、別世界には違いなかった。

 実はアウシュビッツに行こうと思ったのは、これが初めてではなく、その時はウィーンからの列車が夜行しかなくて断念した。せっかく再びアウシュビッツへ行こうという気になったのだから、今回は絶対に実現させなければならない。ガイドブックで調べてみると、アウシュビッツへのバスはクラクフ中央駅から出ていることがわかって、駅前のホテルもちゃんと予約した。それで完璧のはずだったが、一番重要なことを忘れていた。それはアウシュビッツを見学するには、予約が必要で、しかもガイド付きのツアーに参加しなければならないことだった。

 では個人では中に入れないのかと思って、ネットで調べてみると、自力でアウシュビッツを見学した人のブログに行き当たった。その人の話によると、ガイドツアーは英語がほとんどなので、できれば日本語で説明を聞きたいのだが、残念ながらハードルが高すぎる。現在日本語でのツアーは中谷さんという日本人ガイド一人だけしかおらず、予約を取るのが極めて難しい。その人も予約しようとしたが、日程が合わず、泣く泣く諦めたとのこと。本当ならこの話を耳にした時に、素早く手配の行動をとればいいものを、不都合な現実を想像することができずに何もしなかった、浅薄な私は。思えば、それが6月頃だった。

 それというのも、ブログの書き手であるその人の真似をして、早朝のバスでアウシュビッツに駆けつけ、個人で見学をしようとしたからだ。ガイドツアーは10時からなので、その前なら個人でも入れるし、日本語の見学の手引きもあるので何の問題もないと言うことだった。アウシュビッツは周りには店も何もない所で、トイレも入口にしかなく、しかも有料だと言う。下世話な話だが、何時間にも及ぶ見学なのにも関わらず、トイレが中に無いのが物凄く気にかかる。それともそんな些細なことなど気にならないくらいの衝撃に襲われるのだろうか。想像もつかないが。

 つい先日、久しぶりにネットでアウシュビッツの見学について検索してみた。すると、2023年の3月頃に訪れたジャスティンさんという人のブログを読んで仰天してしまった。なぜなら、彼は早朝にアウシュビッツを訪れて、見学できるものと思ったていたら、15時まで延々と待つことになったからだ。バスでアウシュビッツの門の前に着きながら、何と8時間も待ちぼうけを食った。そんなとんでもない目に遭った彼からのアドバイスは、「僕のブログの内容に惑わされるのではなくて、公式サイトでよく確認してから行ってください」とのことだった。なんともありがたい忠告で、早速サイトで事の真偽を確かめてみた。

 自分の行きたい日付の予約を閲覧してみると、8時15分から16時45分まで、びっしりとガイドツアーが入っている。言語は当然のことながら、ポーランド語と英語のみで、3時間30分にも及ぶ長時間のツアーだ。と言っても、収容所はアウシュビッツだけでなく、さらに大規模なビルケナウもあるので、そこへの移動にバスで30分程度かかるから、実際はどうなのだろうか。ジャスティンさんによると、重要なスポットだけを効率的に回って、2時間30分かかったと言うから施設の規模の大きさがわかる。

 それはさておき、アウシュビッツの予約サイトではどう見ても個人で見学できる枠はないようだ。となると、最悪、英語ツアーを予約するしかなさそうだ。さて、どうしようか、悩みは尽きない。

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