人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

先生を選ばないと、上達しないわよ

なぜ9カ月も経つのに、泳げないの?

 いつも通っていたプールが設備不良で当面の間休館になってから、2週間以上になる。いつ再開できるか全く予想もつかないが、別のプール(オリンピア)に通っていたら、今まで見過ごしていたことに気がついた。それは、毎週金曜日に、水泳教室の初心者コースに来ていた人を偶然見かけて、あれ~?と疑問を抱いてしまったことだ。その人は痩せていて、いつも黒づくめの露出の少ない水着を着ていた。同じクラスの人に挨拶をするのでもなく、あまり目立たない人だったが、その人のタオルが綺麗な花柄だったのが、とても印象に残っていた。それで、別にその人をずうっと監視していたわけでもないのだが、たびたびその人の泳ぐのを見ていたら、ある考えが浮かんだ。

 その人はいつもビート版をもって、バタ足で25mを泳ぐ。それを何度も繰り返しているが、なぜか、手を付けて、クロールでは泳がない。なぜ、クロールでは泳がないのだろう、と首を傾げざるを得なかった。まさか、クロールで泳げるまでになっていないのだろうか、そんなはずはないだろう。上手に泳げなくても、完璧ではなくても、皆それなりにクロールの型で泳いでいるではないか。実際に私の顔なじみの女性は、習ったことはないけど、他の人の見よう見まねで泳いでいると言っている。

 スレンダーで黒づくめの水着の人は、誰かとおしゃべりなど一切せず、熱心に練習をしている。少なくとも、私の目にはそう映った。それなりに、教室に入ってから、9カ月も経つのにクロールで泳げないのが、とても信じられない。別に完璧でなくてもいいから、泳いでみればいいのにと、他人事ながら口を挟みたくなってしまうのは私だけではないはずだ。ではなぜ、泳がないのか、どうしてという疑問が果てしなく続いて消えない。

 なぜ、こんなにも他人のことをとやかく言うのかと言うと、何を隠そう、私は4月からのプールの初心者コースに申し込みをしたからだ。つまり、定員10人の枠に応募し、その結果と言うか、当落が24日に分かることになっている。それで、初心者コースに入ったら、どれくらい泳げるようになるものなのか、気になって仕方がないのである。そのクラスに現在参加しているその人に注目してしまうのは自然なことだ。そして、またこうも思うのだ、おそらく、その人はまた4月からの募集に申し込むのではないだろうかと。そうなると、その人は私のライバルとなり、くじ運の悪い私は十中八九落選するだろう。だが、もし幸運にも、当選したとしても、その人のような運命が待っているとしたら、素直に喜べない。

 以前、顔なじみのマキさんが言っていたことを思い出す。私がいずれ初心者コースに入りたいのだけれど、人気があってダメですよねと聞いたことがあった。すると、マキさんは意外なことを口にした。「大丈夫、入れるわよ。でも、先生を選ばないと上達しないわよ」。ええ!?先生を選ぶって、どういうこと?それって先生しだいで上達するかどうか、道が分かれるってことなのだろうか。今ふと思ったのだが、スレンダーで黒ずくめの水着の人は、泳げないのではなく、完璧主義者なのかもしれない。それでも泳がなくては前には進めないのではないか。今通っているプールでも水泳教室のプログラムはあって、毎日行っていると、練習風景を目の当たりにする。朝9時半になると、水泳教室が始まるのだが、初級、中級、上級の人たちが一斉にプールサイドに集まってくる。プール友だちのセツコさんが、「ほら見てごらん、3つのクラスに分かれてるでしょう」と言うので、その方向を見てみると、初級らしい人はたった4人ぐらいしかいない。それは何を意味するのと言うと、他の人たちはみな進級して上のクラスに行ってしまったのだ。

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