人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

今どきの不動産屋は理解不能

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敷金の振り込みには1カ月ほどかかります!?

 友達が今まで18年間住んでいたアパートから引っ越しをした。最初は日当たりがよくて天国かと思われたが、住んでいるうちに想像もできない実態がわかってきた。そのことが薄々わかり始めたのは、トイレの便座が壊れたときで、水道屋さんが来た時だった。「ここは物凄く湿気が多いところだねえ」と驚いていた。その時は一体何を言っているのかわからなかったので、ただ聞き流していただけだった。でも、そのうちにその言葉の本当の意味を知ることになる。住んでいるうちにだんだんとカビが生えてきて、カビ取りをしてもまたすぐに生えてきて、元通りに、いや、前以上にひどくなってきた。あろうことか、壁に塗ってあった白い塗料がだんだんと剥がれてきて、目も当てられない状態になった。こんなことになったのは自分のせいなのだろうか、それともこの部屋の環境のせいなのか。どちらにしても、このままにしてはおけない。

 こんなひどい状態を人に見てもらわなければならないのは、とても恥ずかしいことなのだが仕方がないと覚悟した。「こんなことになったのは私のせいじゃない!」と気持ちを強く持つことにした。電話でなく、不動産屋に直接出向いて事情を話した。2~3日すると、大家さんも一緒に見に来ると連絡が来た。幸運にもその時はすぐに対処してもらえたが、いつの間にか、これも時代の流れなのか、だんだんと時間がかかるようになった。つまり、流しの水漏れとか、サッシの鍵が壊れたというような古いアパートにありがち些細な??困りごとはすぐには聞いて貰えなくなった。最初は「どうなっているのですか」と直接出向いてお願いしていたが、あまりにも堂々と「業者には頼んでいるので、お待ちください」と言うばかり。そのうちこちらも面倒になって「わかりました。待つしかないのね」と心で思って終わりだ。

 でも、1カ月ほど経っても音沙汰がないとさすがにこちらも重い腰をあげざるを得ない。すると、まさか忘れていたのではないかと思われるような態度で、こちらの話を聞いてくれる。また最初から困りごとを詳しく説明しなければならなかった。だから、あの不動産屋はそう言うところなのだとすっかり諦めていて、怒る気にもなれなかった。

 考えてみるとそんな不動産屋だから、何を言われてもおかしくはない。でも引っ越すのだからもう関係なくなると喜んでいた。最後の日に立ち会いをして貰った時、予想通りあれこれなんだかんだと言われた。部屋を明け渡すときは、原状回復が基本なのでと主張してきて、押し入れのふすまが変色して茶色になっていると指摘された。でもこちらは18年間も住んだのだから、それを考慮してくれるべきなのではないのか。それから台所の流し台の取っ手が壊れているのを見つけて、「どうして壊れたのですか」と容赦なく聞かれた。さらに畳の一部に何かで擦ったような跡が残っているのも見逃さなかった。「これはたぶん引っ越しの時に、タンスか何かを運ぶとき擦ったんですよ」と説明しても納得がいかないようだった。

 友人はその時思った、こんなに煩いことを言われるのなら、躊躇せずにその都度直しておくべきだったと。今までアパートを退去するときのことを露ほどにも考えずに生活していたことを後悔した。だが、”後悔先に立たず”なのだ。だから、敷金については期待しないでおこうと思った。世間の相場ではだいたい1カ月分も戻ればいい方だと言う。だとすれば、8万円は戻ってくるはずだ。不動産屋の感じが悪いあの女の人は敷金はあとで銀行の口座に振り込みますからと言って帰って行った。

 あれからもう1カ月近くになるが、いっこうに口座にお金は振り込まれない。もしかして、敷金は無い!のではとか、いやいやまさかそんなはずはないとかあれやこれやと思いは巡る。勝手に悩んでいてもしょうがないので、不動産屋に電話してみて仰天した。あの女の人は「今見積もり中なので、4月中には入金しますから」と平然と言う。しかも「手続きには普通1カ月ほどかかるんですよ」だなんてふざけている。「世間ではアパートを退去するときにその場で敷金をくれるのが普通なのですよ」と逆襲しようとすると、すかさず「今来客中なので・・・」と逃げて電話を切ってしまった。おそらく、もう退去してしまった客のことなど忘れていたのだろう。もちろん敷金は必ず取り戻すつもりだ。

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