人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

西友ストアの復活

戻ってきてくれて、よかった

 コロナ前によく行っていたカフェの近くにあった西友が2年ぶりに復活した。信じられなかった、もはやないものだと思っていたから。西友のオープンを知ったのは、偶然だった。新聞のチラシで、いつもは全くチラシには無関心を決め込んでいる私が、その日はなんだか気になった。虫の知らせなのか、それとも運命なのか、そんな偶然がなかったら、大げさな言い方かもしれないが、永遠に西友の存在を知らずに生きていただろう。新聞を読もうとして、チラシが邪魔なので、取り除こうとした。その瞬間、「西友ストアグランドオープン」の赤い文字が目に飛び込んで来た。最初は戸惑った、まさか、の始まりで、穴のあくほど広告を見た挙句の果てに、やっと納得した。

 西友ストアの開店は私を大いに喜ばせた。なぜなら、2年もの間、歩いて1時間もかかる遠くの西友に通っていたからだ。誤解を招くようなので言っておくと、もちろん電車でも行けるのだが、遠回りになったり、わざわざ人混みに紛れなければならないのが嫌なのだ。なので、散歩も兼ねて歩いて行く方が楽だった。西友にはプライベートブランドがあって、人気があるようだが、私はそれほどのファンではなく、ただ、料理に使うだし昆布が欲しかっただけだった。みそ汁や煮物に常時使うだし昆布は、できるだけケチらないで、多めに使いたい。だが、普通のスーパーで売っているだし昆布は皆どれも高めで、気軽には使えない。その点、西友のだし昆布は70グラムで400円程度なので、それくらいなら、私にとっても、十分身の丈に合った価格だと言える。西友に行く度に5,6個のだし昆布を買うようになった。できるだけ行く回数を減らしたかったから。西友の近くに何か他に寄るところがあったら、例えば、書店とか、面白そうな店とかあったら、それなりについでの楽しみもあっただろうが、残念ながらそんなものはなかった。西友に行く、というミッションがそのまま目的になった。遠いからできるだけ行きたくはないが、もし行かなかったら、大変なこと、つまり、たちまち日常生活に支障をきたすことになる。そんなことは考えなくても、つぶさにわかることで、四の五の言わず、やるしかないのだ。

 そんなどう考えても面倒臭いことから解放されたのだから、当然私は夢心地だった。実を言うと、2年前、西友ストアの跡地は今度はいったい何ができるんだろう、と興味津々だった。だが、そう思ったのは最初だけで、”去る者は日々に疎し”と言わんばかりに、いつの間にかあの場所のことをすっかり忘れていた。まさか、西友が再びあの場所に戻ってくるだなんてことは夢にも思わなかった。でも、それが今現実になった。ただ、西友は戻って来たことは来たが、2階にあった衣料品コーナーは無くなってしまったことが、残念でならない。時代の流れなのだろうか、少し前に近所のスーパーも衣料品の販売を終了していた。その代わりに”おたからや”などという名前の質屋が出現したのには、当方は困惑せざるを得なかった。

 それはさておき、今回私は西友ストアで優れものを発見した。それは西友独自のプライベートブランドである「皆様のお墨付き」という商品のシーチキンフレークだった。この種の商品にはオイル漬けとノンオイルのタイプがあるが、私は水煮の方が断然好みだ。西友の水煮タイプを買ってみて驚いたのは、ちゃんと薄味が付いて、しかもとても美味しいことだった。他のメーカーのものは、味がなくて、そのままでは美味しいと思えない。まあ、水煮なのだから、自分で好きな味付けをすれば済むことなのだが、私にとっては、手間が省けてとても便利だった。

 どういうわけか、今私はにんじんが気になってしようがない。あるテレビ番組で、北海道で採れる野菜で、日本で一番の収穫量を誇るものは何ですか、というクイズをやっていて、それが、何とにんじんだった。そうなんだ、そう言えば、にんじんなんて、ずいぶん食べていないなあ、と思った瞬間、以前誰かが話題にしていた”にんじんしりしり”が頭の中に浮かんだ。となれば、作ってみるしかない。長い間放っぽっておいたスライサーを戸棚から引っ張り出してきて、にんじんの千切りを大量生産した。さて、このにんじんの小山をどうするかとなったとき、大活躍したのが西友のシーチキンフレークだった。にんじんと一緒にバターで炒めてもよし、それが面倒ならサラダで食べてもよし、と味がすでについているので何も問題はなかった。これからも、ちょくちょく利用したいと思っている。ずぼらな私にはぴったりの商品だ。

mikonacolon