人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

大掃除あるある    

 

青沼貴子さんの4コマ漫画『ねえ、ぴよちゃん』から。

それぞれ自分の世界に浸る家族を、お父さんが

 新聞に連載されている4コマ漫画『ねえ、ぴよちゃん」の今日のエピソードは大掃除だった。大掃除と言えば、年末の一大行事のひとつだが、なかなかはかどらないこともある。その原因のひとつが家族それぞれ過去の思い出に浸ってしまうことだ。ぴよちゃんは自分の部屋を片付けていたら、どこかに行ってしまったと諦めていた猫じゃらしを見つけて大喜び。愛猫の又吉に「見つかったよ」と声をかけて早速遊び始めた。猫じゃらしに夢中になったぴよちゃんは自分がさっきまで何をしていたかなんてケロリと忘れている。又吉とぴよちゃんは二人の世界にどっぷりと浸かっていた。大掃除は探しものを見つけるのに最適なイベントで、だからこそ「やってよかった、得した」と思える。

 お兄ちゃんの椰子彦君は漫画本に夢中で、「久しぶりに読んだけど、やっぱり面白い」などと感激し、さっぱり片づけははかどらない。きっと彼はこの際要らない本は処分しようと思って見ていたら、ついつい懐かしさに本を手に取ってしまったのだろう。私にも身に覚えがあるが、要る本と要らない本を分けるのにも時間が必要だし、お気に入りの本であれば、少しくらいなら構わないかとページを捲ってしまうのは仕方がない。だがいつの間にかちょっとのつもりが読み耽ってしまう時もある。ふと気が付くとありえないことに夕方になってしまっていたこともある。周りを見渡すと、無残にもあちらこちらに物が散乱しているのだから、「どうしよう!?」と慌てまくる。だから私は片づけが大嫌いだし、時間もかかる。

 ぴよちゃんやお兄ちゃんはまだ子供だからまあ許せるが、お母さんまで新聞のチラシに熱中していた。古新聞の整理をしていたのだが、主婦の習性なのだろうか、どうしてもスーパーのチラシに目が行ってしまうのだ。「あら、残念、先週までが期限のチラシだわ」と残念がっている。事もあろうに大掃除の先頭に立つべき存在のお母さんがこの体たらくなのだから、この家の大掃除の成り行きが心配になったのだが、それは杞憂におわった。漫画の最後の一コマにお父さん登場で、家族みんなに「大掃除の途中だよねえ!?」と活を入れたからだ。お父さんだけは真面目に窓ふきをしていた。ふと気になって他の3人の様子を見てみたら、それぞれ自分の世界に入っていたので、びっくり。3人を覚醒させねばといつもは優しいお父さんが声を張り上げたというわけだ。お父さんの鶴の一声で3人は我に返ったので、めでたしめでたし。

 大掃除の目的は普段できない場所をこの時とばかりに徹底的に掃除することだと子供の頃に教わった気がする。それとついでに不用品も処分してしまえば一石二鳥と言える。世間では片づけと言われる作業と掃除を一度にやってしまえるまたとない機会なのだ。まずは押し入れにしまい込んであるプラスティックの衣装ケースを8個全部外に出す。根がミニマリストの私はなにか捨てられるものはないかと目を皿にして捜し出そうとするが、どうでもいいものなのに捨てるには惜しい。要するに、着た切り雀では何とも心もとないので、スペアを確保しておきたいのだ。あれば安心だというそんな些細な理由から捨てられないのだ。だが、そんな些細なことが私に心の平安を与えてくれるのも確かだ。そういう意味で、片づけは持っている物の確認と整理整頓に他ならない。

 この漫画でのお父さんはなんだか一家の大黒柱のような存在だが、ある日のエピソードではお母さんにハンバーガーを買って来るように頼まれていた。お父さんが会社からの帰り道、「なんか買ってくるものある?」と連絡を入れた。すると、お母さんは「ハンバーガー買ってきて!」と気軽にお父さんに頼んだ。どうやら夕食はハンバーガーにするらしい。そこまでは良かったのだが、そのあと「ついでに明日のお昼の分もお願い!」との発言には仰天した。それを聞いた私は一体いくらになるのかと計算してしまったのだ。絶対現実にはあり得ない話だが、こんな発想ができる青沼さんは素晴らしいと感心した。

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