人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

子供の頃の一番はルマンド

今週のお題「好きなおやつ」

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益田ミリさんも好きだったものとは

 今ではもうすっかり忘れていたはずなのに、突然記憶が蘇る、そんな出来事がありました。先日、朝日新聞連載の益田ミリさんの『オトナになった女子たちへ』を読んでいて、「ブルボンのルマンド」の文字を発見した途端、子供の頃のことがふと頭の中に浮かんできました。益田さん自身も子供の頃、ルマンドを「世界で一番美味しいに違いないと思っていた」らしく、私と一緒だとウキウキしてしまいました。生地がミルフィーユのように何層にも重なっていて、サクサクしている触感は当時の他のお菓子にはなかったのです。しかも甘いチョコレートも一緒に食べられるなんて一挙両得ではありませんか。今考えても、実に画期的なアイデアだなあと感心してしまいます。スーパーに行くと今でも見かけることがありますが、外見上は痩せて小さくなってしまいました。一度買って食べてみたことがありますが、相変わらず「おいしい」と感じられます。でも当時のあの感動はもう蘇っては来ないのが寂しいと言えば寂しいです。

初めて食べたルマンドは菓子「見本」?

 思えば、ルマンドを最初に食べたのは、たしか姉が家に来た時にお土産として持ってきたときでした。姉は都心に住んでいて、お菓子問屋をしている人と結婚しました。と言っても夫婦二人の自営業なのですが、実家に来るたびに商売用の「見本」のお菓子を山ほど持ってくるわけです。余って要らなくなったものを持ってくるので、正直言ってあまり美味しいものはないわけです。それが、あの日信じられないことですが、見本にルマンドがあったんです!テレビのCMでは見たことがありますが、買ってまでは食べたことはありませんでしたきっとがらくたの山の中に奇跡的に宝を見つけたような気分だったことでしょう。それ以来、「こんなおいしいものが世の中にあるとは!」と感激し、病みつきになってしまいました。姉が私の誕生日だったか、それとも何か特別な日だったかは忘れてしまいましたが、一斗缶いっぱいのルマンドを持ってきてくれたことがありました。

 こんな風に書くと「なんと優しいお姉さんなの!」とか「仲がいいのね」とか誤解されてしまいそうですが実際は違うのです。姉が家に来るたびに私たちはいつも口げんかをしていたのです。本当は仲が悪いわけではないのですが、ケンカの原因は姉がいつも持ってくるお菓子の「見本」でした。姉は実家に良かれと思って持ってくるのですが、私にとってはまずくて口に合わないガラクタとしか思えないわけです。当時の私はわがままで思っていることはすべて口に出してしまっていたようで、とんでもない暴言を吐いたのです。衝動的に「まずいお菓子はもう持ってこないで!」と言ってしまったら、温厚な姉が烈火のごとく怒りだしました。「じゃあもうお菓子は要らないのね!」とやり返して来るので、ふたりともむきになって涙を流しての大ゲンカになったことを覚えています。姉はあれから少しの間は実家に寄り付きませんでしたが、すぐに元に戻り何の問題も起こりませんでした。家に帰って冷静になって考えてみたら、「あんな子供の言うことに本気になってバカみたい」と反省したのでしょう。そして、妹にケチをつけられた菓子「見本」はもう二度と持ってきませんでした。

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