人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナ禍での田舎からの便り

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 田舎町で感染者36人?

 昨日田舎に住む82歳の叔母から便りが届きました。あれ~?何だろうと読んでみたら、住んでいる小さな町でコロナの感染者が36人になったと書かれていました。それで「あなたは大丈夫?」ということらしいのですが、だいぶ参っているようです。あたりは一面の田園地帯で、大きな建物と言えば企業が倉庫として使っているものぐらいしかありません。家の側には高速道路が走っていて、街灯などないので夜になれば辺りは闇に包まれます。そんな田舎では36人は明らかに脅威でしかないでしょう。思えば、町にある回転ずしの店員がコロナに感染したと聞いた時から、どうなるのかとドキドキしていたわけです。あれから1か月ぐらい経ったでしょうか、叔母としては他人事だったコロナがまさか自分事になるとは夢にも思わなかったというのが本音なのでしょう。お金も時間も体力もあるのに、自由だけがない、そんな生活に耐えなくてはなりません。コロナのせいで趣味の集まりが無くなり、自然と行動範囲が狭まって1日の歩数も減ってきました。日ごろから整体に行って身体をケアしているのですが、近頃は身体のあちこちが痛いと弱音を吐くようになりました。

離れで自由に、孤独からは無縁

 それでも都会の狭い住居に暮らしている高齢者のことを考えれば、叔母が置かれている環境はずっと幸せと言えます。なぜなら、息子夫婦と5人の子供たちと一緒に広い敷地で暮らしているからです。それも母屋に近い離れに一人で自由気儘に、誰にも邪魔されない生活を楽しんでいるのです。食事は朝と昼は自分で作って食べて、夜だけは家族と一緒に過ごすことにしているのです。この生活だと「ひとりだけど独りじゃない」ので、まさに理想の生活ではありませんか。

 手紙の最後に書かれていた、「酔芙蓉につぼみがたくさんついたので、花が咲くのが楽しみ」の言葉にホッとしました。酔芙蓉(すいふよう)は芙蓉という花の種類で、朝は白色、昼はピンク、でも夕方になると、不思議なことに紅色になるのだそうです。この花は友達から貰ったそうで、「花が咲いたら電話して教えてあげよう」と楽しみにしている様子。時間とともに変化していく、自然の魔法ともいえるこの花を私は知りませんでした。ネットで検索してみたら、なるほど見たところとても可憐な花だとわかりました。広い庭もあってガーデニンを楽しみ、母屋と離れを自由に行き来する叔母、コロナ禍にあっても「息が詰まりそう」などと感じることはなさそうです。私なんかよりもはるかにスタスタ歩いて元気なので、呆れるほどに感心してしまう、そんな叔母にいつまた会えるのか。

 一方で世の中はgo toキャンペーンで、お得に行けるとあって大盛況のようです。テレビの空港でのインタビューで、ある男性が「行くなら感染が落ち着いている今しかない」と答えていたのが印象に残っています。それで、そうか、今はその人が置かれている状況によってコロナに対しての感じ方も考え方も全く違う、そんな今を生きているのだと実感したのです。

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