知人の息子さんが大手の某有名学習塾で、講師のバイトをした時のお話です。
それまでは有名な某牛丼店でバイトをしていましたが、もっと割のいい仕事はないかと
探していたのです。
そして、彼は見つけました、牛丼店よりも時給が倍で、午後6時から9時までの
短時間の仕事です。
中学生に得意の数学を教える仕事ですので、彼もすごく喜んでいたそうです。
ところが、いざ働いてみると、「こんなはずでは?」と思うことばかりです。
第一に、上司から「生徒がわかるまで家に帰すな」ときつく言われたのです。
塾に通ったことがない彼は、正直、「なんでこんな問題が分からないのだろう?」
と首をかしげることも何度かあったそうです。
何度ていねいに説明しても、それでもわかってくれないので途方にくれました。
このとき、相手に理解してもらうことの難しさを思い知ったそうです。
しかも指導の時間は9時をとっくに過ぎているのですが、残業代は出ません。
第二に、「時給はバイトでも、生徒の前では、正社員で講師なのだから」などという
わけのわからない言葉で叱られます。
「バイトなのになんでここまでしなければならないのか」とじかに疑問をぶつけたとき
に返ってきた言葉です。
そして、最後には、「月1回は模擬授業をせよ!」と授業準備を強制するのです。
生徒の前ではなく、内部の人間、つまり講師たちの前で授業をやらされるのです。
結局、牛丼店の倍の時給だったはずなのに、計算してみたらあまり変わらなくて、
気苦労が多かったみたいです。
彼に言わせると、「あのバイトは教師になりたい人にとっては最高なんだよ。
だって、お金をもらって、授業の練習ができるのだから。」だそうです。
人それぞれ多様な考え方があるのですから、当然、人の受け止め方はいろいろですね。
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