本当は誰も、保育士や幼稚園教諭になりたくない?
知人の娘さんは今保育士として働いています。
彼女が子供のころからの夢を実現させようと、学校に入学した時のお話です。
入学式から帰ってきた彼女の顔があまりに暗いので、知人が問いただすと、
「保育士になりたいのは私だけだったの、みんなは資格が欲しいだけなんだって。」
と、がっかりしている様子です。
彼女のように子供のころから保育士になりたい人はクラスにはいなくて、とりあえず何でもいいからすぐ役に立つ資格が欲しいのでしょう。
まあ、考えてみれば、「これから生きていくために資格を取る」というのも正当な目標といえます。
夏休みの間にクラスの34人のうち10人が辞めた!
学校にも慣れ、友達もできて楽しく過ごしていましたが、「実習」に行かなければならなくなりました。
「実習」というのは、幼稚園や保育園に行って仕事を体験させてもらうことです。
期間は約2週間で厳しく鍛えられますので、急性胃腸炎で入院する生徒もいるのです。
「現場は厳しい」ということはいつも聞かされているのですが、厳しく叱られたりするのは慣れていないのです。
保育の現場は人の命に関わる場所なので、「厳しさ」は当たり前なのだそうです。
それで当然のように「落伍者」がでるのですが、クラスの34人のうちなんと10人が
新学期を迎えることができませんでした。
生徒を自分の園の労働力に使う経営者!
彼女の学校の建物の1階には付属の幼稚園があります。
幼稚園のクラスの教諭は原則としてひとりだそうで、当然人手が足りません。
そこで、「実習」という名の無料の労働力が彼女たち生徒です。
一番大変なのが、給食の時間で先生ひとりで30人分も盛り付けなければなりません。
そこで、彼女たち実習生も必死で先生を手伝います。
事実、この幼稚園の教諭の職は給料はいいのですが、希望するひとがいないのだそうです。
友に去られて、学校生活が空虚に!
新学期が始まったのですが、友達は「もう私には無理」と言って学校を辞めました。
彼女はひとりぼっちになり、自分さえしっかりしていれば大丈夫という信念も揺らいできました。
一時は「学校を辞めたい」と思い詰めた彼女ですが、ある先生の言葉で救われたのです。
「辞めるのはいつでもできるのだから、休学して冷静になって考えてみなさい」といってもらって気持ちが楽になりました。
そのおかげで彼女は今保育士として、「私の転職だから」と言えるまでになりました。
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