人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

犯罪アプリの会社を設立した女性

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 過去のデータから犯罪を予測

 先日の朝日新聞の朝刊を見て嬉しくなってしまいました。ドラマの中でしか存在しないと思っていた人が現実にいることを知ったからです。今最も注目すべき旬の人を取り上げる紙面の「ひと」欄に登場したのは、梶田真美(かじたまみ)さんです。スリにあったことがきっかけで犯罪予測アプリの会社を設立したのです。夫の仕事で行ったイタリア滞在中に何と3回もスリ被害にあったことで、「犯罪者は一度成功すると味を占め、同じ場所で繰り返す」という事実を知りました。だから「過去のデータを分析すれば。いつ、どこで起きやすいか予測できる」と言うのです。実際に彼女の犯罪傾向を分析するソフトは昨年度警察庁に採用されました。

数学オタクと呼ばれる人たち

 この記事を読んだとき、正直不思議に思いました。いくらデータがあるとは言ってもそんなに簡単に普通の人にできるのだろうかと。もちろん、この人は普通の人なんかではありませんでした。もとは統計物理学の研究者だったのです。中高生の頃から、日常のふとした疑問に仮説を立て、数学で解いてみるのが好きだった。物事をすっきり説明できる、そのプロセスにときめくんです?!ここまで書いてきて、凡人の私などには到底理解できないので頭を抱えるしかありません。疑いもなく数学オタクと言われる人たちのひとりです、言い方を変えれば、天才とも言えます。

 数学オタクと言えば、「コロナの時代の僕ら」を書いたイタリアのパオロ・ジョルダーノが思い浮かびます。彼は著書の中で「文章を書くことより前から、数学が不安を抑えるため定番の策だった今でも朝起きてすぐ、その場で思いついた計算をしてみたり、数列を作ったりすることがある、それは決まって何か問題があるときの症状だ」と自業自得なのだと数学オタクを認めています。しかし重要なことは数学は決して特別な人達だけのものではなく、世の中のことはすべて数学で説明がつくということです。感染症の流行も例外ではなく、数学的な緊急時事態といえる。なぜなら数学は数の科学などではなく関係の科学だからだ、とまあ頭では分かった気になりますが具体的にはどうなのか、イメージが湧きません。

ドラマなら理解できる

 数学がいかに事件解決に役立つのかは米国のドラマを観ればわかりやすいです。トニー&スコット兄弟が手掛けた「ナンバーズ、天才数学者とFBI捜査官の事件ファイル」では、毎回数学の知識で難事件を解決します。犯人の行動には必ず何らかの規則性があり、すべて数式で表される、というのが数学者のチャーリーの持論です。いつものように、FBI捜査官の兄の担当する捜査が袋小路に入ってしまい、糸口が見つけられずに悶々とした日々を送っていました。その事件とはある晩にロスにある変電所が停電になり、殺人事件が起きたのです。それから連続して2か所の変電所が停電になったのですが何も起こりませんでした。でも何かおかしい、3か所を停電させて何をするつもりなのか、どうしても何かの企みがあるのではと考えてしまいます。長年の感から犯罪の匂いがするのですが、それが何なのか具体的にはわかりません。

 そこで兄はチャーリーに助けを求めます。まず、ロスの地図をコンピューターの画面上に表示して、3回の停電で影響を受ける地域を色分けして出現させます。すると、地図の中央に3つの色が重なる部分があり、その地域には大きな刑務所があるのです。しかしその刑務所にはちゃんと予備電源があるので、停電させて何の意味があるのかと最初はがっかりしたのです。ですがその電源には限界があって3回程度で容量が無くなると知って、それでわかったのです、犯罪組織の企みが。停電している隙に刑務所に収監されている仲間を逃がそうとしていたのです。ここまで綿密に計画していたとは驚きであり、実に面白い話です。

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