人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

『独狐伽羅』の野望と愛の行方

f:id:mikonacolon:20200903171447j:plain

乱世の中三姉妹の運命が気になる

 動画配信サービスで中国ドラマの時代劇を見ています。最近始まったのは『独狐伽羅』という題名で隋の初代皇帝の皇后になった女性がヒロインです。まだ15歳の子供で自由奔放な伽羅(から)がどうやって皇后に上り詰めていくのかが楽しみです。ドラマの舞台は中国の南北朝で、先行きが不透明で、何一つ確実なものなどない時代です。だからこそ、伽羅の二人の姉もどうしたら乱世で生き残れるかで日々頭を悩ませているのです。一族を守るために自分のできることは何なのか、それにはまず有利な位置に立つこと、つまり最高の婚姻をすることだと野望を持つのです。

 長女の搬若(はんじゃく)の願いは覇者と結婚することで、一族の血筋を絶やさないためにも絶対条件だと信じて疑いません。父親が朝廷の丞相の地位にあるとはいえ、何の後ろ盾もなく、兄弟たちもろくな官職についていないからです。名門の家の娘ではあっても何の保証もなく、その地位は永遠ではないのです。何もしなければ不安で心を病んでしまいそうな時代にあっては、まず行動あるのみなのです。その手段の一つが皇帝の血筋との婚姻だったわけです。婚姻は家同士の結びつきで、男女の愛など一族の運命に比べたら取るに足らないことだと伽羅に言い聞かせるのです。

悪い人なのに惹かれる?

 ところが、搬若はどうや父の政敵である宇文護と密会を重ねているようなのです。二人の願いはお互いに皇帝と皇后になって人生を共にすることだったのですが、ある事件をきっかけにそれが夢に終わります。宇文護は皇帝の地位を隙あらば狙っているような悪者なのですが、搬若は彼の実力を認めて惹かれているのです。もちろん皇帝の血筋をひく奥方もいて、彼の野望のために利用しなければならないので離縁はできないのです。

 搬若は独狐家の長女で才色兼備で冷静な女性です。愛を諦めて次期皇帝と目されるいとこに嫁ぐことを決心します。宇文護に「愛する女が他の男に嫁ぐのを黙ってみていろと言うのか、お前は!」と憤られて、「じゃあ、すぐに奥方を離縁してくれる?」

 反論できないとわかっているので、さらに追い打ちをかけるように「あなたの愛なんて所詮その程度のもの。結局、私たちはお互いじゃなくて権力を愛してるのよ」と思いを爆発させるのです。その一方で「もう現実を見るべきよ、夫婦になれなくても別の方法があるわ」と決して悲観はしません。実は妹の伽羅を諭す場面では「夫婦にはなれなくても、いざとなったら、その時は生死を共にすべきだわ」とちゃんと本音を吐露しているのです。これからの展開でそれを有言実行する機会があるのどうか気になるところです。

愛する女を皇后にする?

 一方の搬若に愛される宇文護は世間ではいわゆる自分勝手で悪い男なのです。ですが弱い者を助けたりと実にいい奴で、その純粋さの側面が魅力的な人なのです。自分は妻帯者なのに「自分以外は絶対愛するな。殺してやるからな」と脅すのですが、それがそのまま愛情表現になってしまっています。「絶対皇帝になれると信じています」との重用する部下の言葉に、「たとえ皇帝になれても、側に搬若がいなければ意味がないのだ」。躊躇することなく本音を漏らして、部下をびっくりさせます。そんな彼が下した決断は、「いいだろう、皇后になりたいと言うのなら、その夢をかなえてやろうじゃないか」。一転して愛する人を応援する側に回り、彼女の夫が優位に立てるように策を講じようとするのです。ですが宇文護はその先を見据えていて、摂政になって皇后を娶るのも悪くないと考えているのです。

 さて、これからどうなるのか、ヒロインだけでなく周りの登場人物も魅力的なので楽しみです。

mikonacolon