人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ユーロスターでロンドンへ

セントパンクロス駅の美しさに感激

 ユーロスターでロンドンに行くためにパリ北駅に行った。2階にあるユーロスターの乗り場では改札の前に係員が立っていて、乗る電車の出発時間の2時間前にならないと、中に入れないようになっていた。国際列車なので、飛行機と同様に荷物検査とパスポート審査があるので、早めに行ったのに肩透かしを食らった。ネットで予約をするときに、たしか3時間前には駅に着いているようにとの案内があったはず。それに、私の場合は、チェックインして、本物のチケットを受け取らなければならなかった。乗り場に行って見ると、そのまま乗れるチケットを持っている人がほとんどで、私のような人は見当たらない。それで、少し不安になったが、係員に尋ねると、窓口を教えてくれたので、すんなりとチケットに交換できた。

 ユーロスターの席は2等席で、格安チケットのせいかどうかわからないが、座席を指定できなかった。車内に入ると、私の席は向かい合わせの4人席の窓際で、一番目のやり場に困る場所で、ずうっと車窓を眺めていた。私以外の3人は夫婦とその姉か妹かのどちらかと思われるスペイン人だった。彼らのうち、夫の方は分厚いペーパーバックを読んでいて、あとの二人はスマホの動画をじっと見ていた。実はもうずいぶん昔にイタリアの新幹線に乗ったときに、向かいに座ったイギリス人の女性に話し掛けられて困ったことがあった。何処から来たのとか、何に興味があるのとか、根掘り葉掘り聞かれて閉口した。なので、どうも向かい合わせの4人席には苦手意識があった。でも、彼ら3人組は自分たちのそれぞれの世界に入り込み、私のことを放って置いてくれたのである意味よかった。

 パリからロンドンのセントパンクロス駅まで2時間30分で行けるだなんて、夢のようだ。そもそもロンドンに行こうと決めたのは、大英博物館が無料だとNHKの語学テキストのグラビアで知ったからで、それなら行かなきゃ!となっただけのことだった。たったそれだけで、物価高の悪名高いロンドンによもや本当に行くだなんて、何たる気まぐれ、とんでもない発想をするのかと自分でも驚いている。最初は当然、飛行機で行くものだとばかり決めつけていたが、ある日NHKフランス語講座のテキストに連載されている猫沢エミさんのエッセイを読んで仰天した。なんと、パリに住む猫沢さんは、「たまにはロンドンにでも遊びに行ってみるか」的な軽いノリで、ユーロスターでロンドンに行っていた。

 このことを知って、そうか、パリからロンドンへはそんなに気軽に行けるものなのだと初めて気が付いた。それに、格安チケットなら往復4~5万円程度でロンドンに行けてしまうのだ。以前、フィンランド航空でストックホルムへのフライトを追加した時、確か8万円くらいの料金だったので、飛行機で行くより、断然お得に行けてしまう。ユーロスターに乗っている時は全然意識しなかったが、あのドーバー海峡を列車で越えたのかと思うとなんだか不思議な気分になる。まるで日本の新幹線に乗っているような時間で、国境をいとも簡単に越えられることに感動せざるを得ない。列車を降りてからも、駅構内のサインに従って歩いたら、迷うことなくセントパンクロス駅から出られた。私のような旅行者にとっては、とても親切でわかりやすい駅だった。

 さて、駅から出られたものの、今度は予約したクレストフィールド・ホテルを探さなければならない。トートバックから旅行ノートを取り出して、駅前の地図を取り出してみるが、目の前にある光景とは少し違っていた。それで、方位磁石を取り出して確かめると、やっと自分が 今どこに立っているのかがわかった。早速、大通りを渡って、駅前にあると思われるクレストフィールド通りを探すことにした。

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