人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

去年よりも一歩前進

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

何だかいいことがありそうな予感が

 去年と比べると、今の私は一歩も二歩も前向きになれている。このままでは心の洞窟からでられないと一発奮起し、英語の勉強を再開した。NHKの6時45分からの大西泰斗先生の『ラジオ英会話』をICレコーダーに録音して聞いている。初めてこの番組を聞いた時、「本当にこの先生で大丈夫なのか!?」と内心思った。なぜかと言うと、先生が番組の冒頭でくだらないギャグを言って、視聴者を笑わせるからだった。正直に言うと、それは時には聞くに堪えない、呆れてしまうほどのレベルのときもある。

 でもだんだんと番組を聞くにつれて、先生がわざと、番組に対するハードルを下げてもらうためにしていることなのだとわかってきた。冒頭のジョークはともかく、当然のことながら、番組での先生はシャープで頭の回転の速い人だ。例えば、現在形と現在進行形の違いを私たち視聴者にわかりやすく説明してくれる。今まで分からなかった微妙な使い方の違いに目から鱗になったこともある。新聞で先生のインタビュー記事を読んだことがあるが、その中で印象的だったのは「英語を楽しく勉強」をモットーとしていることだった。

 私の勉強法はテキストは買わないで、ひたすら耳だけを頼りに放送を聞くやり方だ。番組は15分ですぐに終わってしまうが、3年近く英語から遠ざかっていた私の耳はだいぶ錆びついている。全部を理解するには何倍もの時間がかかる。その日のダイアログを聞き取って実際にノートに書いてみたり、わからない単語を音だけを頼りに辞書で調べる。先生の解説を聞くのは最後の最後で、そうしないと勉強が面白くない。番組の最後に英作文のコーナーがあるが、「私たちのお勧めは・・・」の解答には驚かされることが多い。ネイティブが使う単語に「なるほど、この場合はそう言えばいいのか」と気づかされて得した気分にもなれる。聞いて理解できることが外国語学習において、何よりも最優先なのだとつくづく思う。だが、実際は知らない単語は聞こえないのだから悩ましい限りだ。それでもやらないよりはましで、ゼロよりは1でも2でもいいから多い方がいいのだと今までの経験から学んだ。

 それから4年前に台湾旅行に行ったのをきっかけに勉強し始めた中国語も同時に再開した。こちらは去年の名古屋大学教授の丸尾誠先生の講座で、番組のMCは声優の劉セイラさんと俳優の劉鍾徳さんだ。ICレコーダーに録っておいた去年の講座を聞いてはいるが音だけでは理解できず、テキストを頼りにノートに文を何度も書いて練習をする。その日に覚えたつもりでも翌日になると怪しいもので、覚えては忘れるの繰り返しで情けなくなる。そんな私の唯一の慰めはセイラさんの優しさと劉くんのハンサムな美声だ。

 劉くんは187cmの長身で、歌はもちろん、ダンスや楽器もできるマルチな人だ。それに考え方がとてもユニークで、ストレートな物言いにも好感が持てる。これまでで一番印象に残っている英語の先生はと聞かれたときの劉くんの答えは、なんと「アメリカのドラマ」で、たいていのことはドラマから学んだそうだ。この予想もしなかった発言に丸尾先生は「僕なんかそんな発想は考えもしなかった」と感心し、セイラさんもびっくりした様子。さらに誕生日の思い出についての質問には「でっかいホテルでの誕生日パーティー」のことを語り出した。「その日はホテルの一室を借り切り、友だちを大勢呼んで、ケーキは天井に届かんばかりの大きさで・・・」と俄かには信じがたいような発言にセイラさんは仰天していた。どうやら同じ中国人でも育った地域で習慣が異なるらしく、劉くんの思い出には共感できないらしい。

 不真面目で頑張れない私のような者には、「真面目に」とか「一生懸命に」とかといった意気込みだけでは続かない。だが、最近は行動を起こしたことで、ささやかな希望を、今まで感じたことのない光を見出すことができた。

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