人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

NHKラジオの中国語講座が終了

▲昨日の夕刊に載っていた可憐なダリアの花々。その美しさに惹かれて、思わずシャツターを押して撮った写真。

前期は終了、でも後期は再放送でまた聞ける

 毎日のように聴いていたNHKラジオの中国語講座が120回を最後に終了した。私は褒められたような真面目なリスナーでははなかったが、不思議と放送を聞くと笑顔になれた。それは終始おだやかで、時に溌剌とした小金井先生と番組のMCであるセイラさんの底抜けの明るさ、それにもうひとりのMCの気さくで自然体のユン君、この3人の存在があったからだ。一見、これは井戸端会議?と錯覚するような、楽しい3人の掛け合いで番組は進行するのだが、要所要所はプロの中国語教師である小金井先生がちゃんと卒なく締めていた。

 ある時、復習のために過去の講座を聞いてみたら、なんだかおかしい、とすぐに感じた。番組の間中、講師の先生がずうっと先生がしゃべりずめで、ゲストとして出演している中国人は発音練習の時だけしか声を出さなかった、それが私が感じた違和感の原因だった。もちろん、15分という限られた時間だし、講座の目的は中国語の習得にあるのだが、中国人の影が薄いのがすごく気になった。

 実を言うと、最初はMCのセイラさんに違和感、いや拒否感さえ抱いてしまった。それなのに、そんなことなどケロリと忘れてしまって、今ではゲラゲラ笑っている。全く我ながら節操がなさすぎる。この講座について特筆すべきことは、会話の役割練習の時に、ただ単に文を発音するのではなくて、気持ちを込めて発音することを勧めている点だ。感情を込める、あるいは、普段日常会話で話しているような自然体で発音してみることは、知らず知らずのうちに記憶に繋がりやすいのだ。怒っている場面では怒りを発散させる、嬉しい時は天にも昇るような幸せが伝わるような言い方をした方がよりモチベーションが高まる気がする。

 日本語と中国語のバイリンガルで声優でもあるセイラさんは感情表現が素晴らしくうまい。当方は母語の日本語だって、言葉に気持ちを注入するのは容易ではないのに。ユン君に至っては、全くの自然体で、マイクの前にいることを感じさせないレベルなので、ついついこちらは笑ってしまう。変な話だが、当方の生活ではアハハッと笑うようなことはあまりないので、なんだか寂しいなあと思う時にはICレコーダーに採って

 番組の終りにはフリートークのコーナーがあって、3人それぞれのプライベートの話が聞けるのが楽しい。ある日のトークテーマは「最近やり始めたこと」でセイラさんの番だった。セイラさんは最近、急に思い立って英語を勉強しだした。なのに早くも壁にぶつかった。その壁とは話そうとしても、いくら頑張っても、どうしても口から英語が出てこないと言うことだった。そこでセイラさんは思った、自分は英語をできるだけ聞いて、紙に書いて文を覚えようとした。そうすれば、絶対言語を物にできると信じていたからだ。でも実際は能書き通りにはいかない。でもこれって、中国語の学習者の方たちにいつも自分が話していることではないか、と。

 セイラさんはなんと幼稚園の時に声優になろうと言う夢が芽生えたらしい。ある宿泊施設で先生が見せてくれたのは、日本のアニメで聖闘士星矢だった。家にテレビがなかった!?らしく、日本のアニメを見るのは初めての経験だった。こんな世界もあるのかと衝撃を受けてしまったセイラさんはその光景を忘れることはできなかった。たぶんその時の体験が今の声優としての原点なのだと話していた。

 セイラさんは声優だけではなく、漫画家としても活動している。NHKラジオの中国語のテキストの巻末に「セイラの何でも質問箱」という漫画を描いている。先日の話題は中国の昼休みのことで、私も全くの初耳なのだが、長い人では2時間程度取るのが普通らしい。となると、会社では横に慣れないので、昼寝のために家に帰る人たちも居る。これって、まるでイタリアのシエスタではないかと、私はすぐに思った。面白い、こんなことは今まで誰も、誰一人教えてくれなかった。その点において、今の中国語講座は中国人を知るためのいい機会を私たちに与えてくれている。

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