人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

Googleの航空写真に感動

もっと早く、気づくべきだった

 私は9月に入ってから、本格的に旅行の準備を始めた。旅行の計画はすでに立ててあるので、まずは実際に現地に行ったつもりで、行動をシュミレーションし、旅行ノートを作成する。ノートはB5のサイズで、このくらいの大きさが一番持ち歩くのには便利だ。現地の地図やバス停の位置などを書いたメモなど、必要な情報をすべてこのノートにスクラップして置く。そうやって、全力を尽くして調べた挙句の果てに、旅行ノートは完成する。これで絶対抜かりはないはずなのだが、どうしたことかいつも失敗する。 

 その原因が何なのか、今になってようやくわかってきた。それはガイドブックに載っている地図にあまりにも頼りすぎて、それを信じすぎて、現地で右往左往してしまうことだ。誤解されるといけないので、言っておくが、私は何も、ガイドブックの地図が間違っていると言うつもりはない。それどころか、その通りなのだが、悲しいかな、あれはおおよそ過ぎて、私には何の役にも立たなかった。お目出たいことに、地図を見て、「この道をこう行って、右に曲がって少し行けばホテルに着ける」だなんて、本気で思っていた。それなのに、現地に行ったら、自分が持っている地図のどこら辺に居て、どっちの方角をむいているかさえ、わからず立ち往生した。

 それは、コロナが流行る前で、夜の7時過ぎにパリのオペラ座で空港からのバスを降りたときのことだった。ホテルが見つけやすいだろうと言う、勝手な思い込みでオペラ座から歩いて行ける距離にあるホテルを予約した。だが実際は、当たり前のことだが、細い路地がたくさんあり、持って行った地図は何の役にも立たなかった。仕方がないので、ふらふら歩いていると、大勢の人が信号待ちをする交差点に行きついた。そこで私はあるものを発見した。そのあるものとは、TAXIと書かれた標識で、それを見た瞬間、絶望が希望に変わった。その時初めて、パリの街中にはどこにでもタクシー乗り場があることを知った。いわば、私にとっては、TAXIの標識は日本の交番と同じ価値があり、頼れる存在と言えるものだ。

 さて、今回の旅行ではまた空港からバスでパリのオペラ座に行く予定になっている。しかも、そこから、タクシーあるいは、市バスでサンジェルマンデプレにあるホテルまで行こうとしている。これはどう見ても、旅慣れた上級者のやることだ。思わず、大丈夫か私?と自ら声をかけてやりたくなる。もちろん、以前にも乗ったことがあるので、バスが通る場所はだいたいわかるが、一体全体バス停がどこにあるのかさえ分からない。ネットでググって色々調べてみたが、丁寧に説明されてもピンとこない。

 だいたいが、薄暗い闇の中に悠然と建つオペラ座しか見たことがない。その周りの景色がどうなっているかなんてことは知る由もない。さて、困った、現地に行って見れば何とかなる、などという希望的観測など甘い考えで、ありえない。何かいい考えはないだろうかと、無い頭を悩ませると、そう言えば、Googleに航空写真と言う優れものがあることを思い出した。早速、オペラ座の航空写真を見てみると、周辺全体が手に取るようにわかって、なるほどそう言うことになっていたのかと感動した。ネットの記事で”オペラ広場”と出ていたのは、地下鉄の駅の向こうにあって、オペラ座とは少し離れた場所にあった。そして、嬉しいことに、サンジェルマンデプレへの95番のバス停の場所もちゃんと表示してあった。今まで広大な森の中で”木”とも言える、オペラ座しか見ていなかったが、こうして周辺全体を把握できたことはとても心強い。心の中に膨れ上がっていた不安が、これで少しは解消された気がする。

 もちろん、オペラ座からサンジェルマンデプレへは、タクシーで行くのが理想だ。だが、今回は夕方ではなくて、真昼間に到着予定なので、渋滞に巻き込まれ、タクシーに乗れるかどうかは分からない。幸いなことに、タクシー乗り場の情報も入手できたが、噂によると、長蛇の列ができていると言う。なので、ホテル周辺の情報を念入りに調べて置いて、最悪の事態に備えるとしよう。

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