人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

一年ぶりに髪を切ったら

 

信じられないような爽快感に包まれて

 昨日ついに髪を切りに行った。ずうっと行かなくちゃとは思っていたが、先延ばしにしていた。髪を切ってもらう美容院は、いつも行くスーパーの隣りという恵まれた場所にあるにも関わらず、行かなかった、いや、行けなかった理由はちゃんとある。たいしてストレスになるような原因のカケラさえ思いつかないのに、それでもやたら抜け毛が多くて、このままではいずれ髪の毛が無くなってしまうのではないかと不安でたまらなかった。抜け毛が一段落すると、今度は頭の猛烈な痒みが気になって仕方なかった。気にすると、余計にジワジワト痒みが襲ってきて、皮膚科に行った方がいいのではと本気で思った。近所には皮膚科がないので、ネットで検索して探していたら、薬局に頭専用のかゆみ止めがあることを知った。私はそんなものがある事さえ知らなくて、頭の痒みで悩んでいる人は意外に多いのだということを初めて知った。

 要するに、皮膚の痒みと同様に、かゆみ止めを塗って症状を抑えるやり方だ。何回か塗って、それでも症状が改善しないようなら、その時は皮膚科に行くしかないらしい。薬局に行って、かゆみ止めの棚をみると、頭専用のかゆみ止めは液体タイプとクリーム状タイプの物があったが、売れている液体の方を選んでレジに持って行った。なんだか後ろめたい気持ちになったが、このまま頭の痒みを放置することはできなかった。家に帰ると、早速箱から取り出して、頭の痒い部分に塗ってみる。シュワシュワとしたメントールの匂いに顔をしかめる。痒みに堪えられなくて、掻いてしまったせいか、液がジーンと染みて少し痛痒い。少し痒みが和らいだ感じもするが、それは気のせいかもしれない。頭のかゆみ止めを使ってみて、この薬は刺激が強すぎて、やたらと使えないと思い知る。それからは、薬はやめて、頭の痒みをあまり意識しないように努めた。はっきり言って、薬を塗っても効果は期待できなかった。

 さて、そう言うわけで、髪を切りに行くのが伸ばし伸ばしになっていた。今回意を決して行こうと思ったのは、7月に実家の法事があるからで、帰省のためだった。いつも、帰省や特に海外旅行に行く前には、髪を切りに行くのが私の儀式のようなものだった。さっぱりした髪の毛で何の憂いもなく旅立つことで、モチベーションがさらに高まった。旅立つ前にやらなければならないリストの中で、髪を切りに行くことは上位に位置していたはず。なのに、私は昨年髪を切りに行った記憶がない。いったいいつ髪の毛を切りに行ったのか思い出せないまま、海外旅行から帰ってから今まで暮らしていた。

 当然私の髪の毛は鬱陶しいほどに伸びていた。15㎝ぐらいは切っただろうか、さっぱりして、世界が変わったように感じるのは無理もなかった。昨年海外旅行の前に髪を切りに行かなかったのにはちゃんとした理由がある。いや、その前のお盆の帰省の前に行っておけばよかったのかもしれないが、できなかった、それどころじゃなくて、というかそんな余裕がなくて。実を言うと、昨年の6月から年末までずうっと不調だった。膝の裏に水が溜まってまともに歩けなくなったのが、始まりだった。もっとも、痛みをこらえて無理矢理歩きまわってはいたが、夏の暑さが一段落したと思ったら、今度は目がおかしくなった。右目の周りに強烈な痛みが出て、まともに顔が洗えなくなった。原因は右目の奥の炎症で外側の炎症よりも深刻だった。9月から眼科に通っていたが、ある予期せぬ事実が判明して、未だに定期検診が必要な状態だ。

 まだ続きがある。海外旅行直前に胃がおかしくなり、物が食べられなくなった。”旅行は健康でこそ楽しめる”がモットーの私には最悪の事態だった。一番大事な”健康”が欠けている旅行が果たして、楽しいものなのか、甚だ疑問だが、それでも旅行を取りやめるという選択肢はなくて、とりあえず行ってみようとなった。病院に行って、何日かぶんの薬を貰い、不安を抱えながらの離陸は初めての経験だった。もちろん、1日に2回の目薬も忘れずに差さなければならない。そうやって何とか自分で決めた日程をクリアーしてわかったのは、具合が悪くてもけっこう旅行は楽しめるということだ。恐る恐る行ってはみたが、案外気持ちは上がるもので、「行ってみて、本当によかった」と旅行中はずうっと思っていた。まさに”案ずるより産むがやすし”である。

mikonacolon