人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

保険の窓口

親身になって相談に乗ってくれて、大満足

 これから書くのは知人の話である。近所に住む桐原さんは60代の女性で、彼女の夫は6月で65歳になるが、現在も嘱託として働いていた。先月加入している生命保険会社から更新のお知らせが届いた。封を開けて見てびっくり、なんとひと月6千ほどの保険料が2倍になっていた。スワ、大変、この額では、いずれ年金年生活になったら、払えなくなると慌てふためいた。早速担当者に電話をして、解約の手続きをするよう頼んだ。すると、いつの間にか以前の担当者とは別の会ったこともない人に変わっていたので、あっけなく事は済んだ。数日のうちに解約申込書を送付してくれるという。危くのところで契約を解除できて、ほっと胸を撫でおろしたが、すぐにこれからどうしようとなった。

 桐原さんの夫にとっては、保険はお守りのようなもので、やはり何か保険に入っていないと落ち着かないらしい。今までそうやって生きて来たので、その信念はそうやすやすとは変わらない。今までと同じくらいの金額で、葬式代が出るくらいの死亡保険に入りたいと望んでいた。それで、桐原さんは、最近テレビのCMでよく見るライフネット生命や、はなさく生命、太陽生命などの情報をネットで探した。サイトで「簡単見積もり」というものを試してみたこともあり、表示のままに進んだら、危うく契約成立まで行きそうになった。だが、「契約する」をクリックしそうになって、思いとどまった。果たして、この保険で証書はちゃんと出るのかどうか不安になった。もし、ネットの中にだけ証書があって、紙の形態で目の前に存在しないとしたら、どうすればいいのだろう。WEB上にだけ存在する契約というのは、目に見えなくて、アクセスしなければその存在を確かめることはできない。それにこの先何か疑問に思うことがあっても、すべてネットで相談するのが常識である。ネットで契約した保険はネットでのみ対応するというのが前提なのだ。

 桐原さんはそのことを物凄く不安に感じた。はなさく生命という保険会社に資料請求をしたら、コールセンターの人から電話が来て、入りたい保険の詳細を聞かれた。やはり、ネットで入る保険には後から苦情が絶えないので、そうならないための予防策としての電話だった。その時知ったのだが、対面での契約も可能だという。つまり、代理店を紹介してくれて、担当者に相談しながらの保険契約ができるのだ。桐原さんは夫と相談してから後日電話をすると言ってその時は電話を切った。

 その後で、何気なくネットで「はなさく生命」を検索したら、「保険の窓口」というものがあることを知った。しかも最寄りの駅から電車で数分のところにそれはあった。そこでなら、自分たちが望む保険を紹介してもらえるのではと思った。今はあまり見かけないが、以前は俳優の速水もこみちさんがCMに出ていたのを思い出した。当時は他人事で、あまり興味がなかったが、今となっては大歓迎だ。世間の噂によると、保険の窓口は相談だけするつもりの軽い気持ちで行くと、やたらに勧められて困るイメージがあった。だが、桐原さん夫婦の場合は、もう目的が決まっていて、その場で契約してもいいと銀行の通帳と届出印まで持参していたから話は早かった。早かったと一口に言ってもその間1時間以上で担当者が懇切丁寧に説明してくれるので、正直言って相当に疲れた。

 要するに、保険の契約にあたっては契約前に同意と確認が必要なことが山とあるのだった。担当者は当然のことながら口が乾く間もなく喋りづめである。それをいちいち頷きながら聞いている桐原さん夫婦もここぞと言わんばかりの集中力を必要とした。以前と違うのは、保険の契約はすべて、パソコンの画面上で行い、昔のような紙での契約ではないことだ。もちろん印鑑は必要ではなく、タブレットに専用のペンで本人がサインをして終わりだ。それでも、後日ちゃんとした紙の保険証書が届くのは以前と同じだ。帰り際、桐原さんは自分が入っている保険のことを聞かれた。払い込みが終わっているのに、まだ年に一度1万円程度の保険料が引き落とされていると言うと、「それはちょっとおかしい。きっと何かオプションでもついているのですよ」と怪訝な顔をされた。「もしよかったら、その保険の証書を見せてもらえませんか」と言ってくれるので、相談に乗ってもらおうと思っている。

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