人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

お酒は大人だけの楽しみ

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

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大人がやたらと飲みたがるお酒の味は

 子供のころから、ずうっと思っていました、果たしてお酒はそんなに美味しいものなのかと。家に来る大人たちは誰もがお酒を飲むとやたらと楽しそうに見えたからです。大勢でなんだかんだと言い合うのが楽しいのか、それともお酒が人をそうさせるのかわかりませんでした。その場の雰囲気にのまれたのか、あるいはもともとお酒が強くないのか、叔父は顔が赤くなって、「ちょっと休憩」と横になりました。それでも、みんなは私が知っているそのままの人達であって、お酒のせいで人格が変わる人など誰もいなかったのです。だから私の中では「お酒を飲むのは楽しいことなのらしい」という固定観念が出来上がったのです。

 とは言っても、子供なので、どう見ても大人が飲んでいるビールは苦そうで、とてもおいしい飲み物だとは思えませんでした。「ビールって苦いんでしょう?よく飲めるね!」と父に言うと、「その苦いのがまた美味しいんだよ」と意味不明な答えが返ってきました。そうか、大人になると、ビールの苦みとやらが美味しく感じられるのか。そんな摩訶不思議なことを聞くと、ますます大人が不思議な存在に思えてきたものです。

大人になると苦みや辛味を好むらしい

 思えば、刺身を食べるときに大人はワサビというものがないとダメらしいのです。やはりピリッとした刺激がないと食べた気がしないなどと大人にしかわからない言葉を口にします。どうやら苦みや辛味などが心地よく感じられるのが大人らしいのです。ここでふと思い出しました、私の姪はなんと子供なのに平気でビールを飲んでいたのです!姉の旦那さんが「子供でも少しぐらいは構わない」などと自分の子供に飲ませていたのです。そして姪の方も嫌がるそぶりも見せずに言われるままに飲んでいたわけです。「飲むか?」と聞かれると、明らかに嫌がってはいないのです。周りの誰もそれに対してとやかく文句を言う人はいなかった。今にして思えば、子供がビールを飲む、それも幼稚園に通う子供が飲んでいたことに驚くしかありません。そんな姪は大人になって酒好きになったかと言うと、そんなこともないようなので不思議でしかありません。

大人になって飲んだお酒の味は

 さて、大人になってお酒が飲めるようになると、様々な人たちと交流するために、居酒屋などにしょっちゅう行くようになりました。お酒は人と付きあう潤滑剤のような役割をしてくれました。はっきり言って、私は大人になってもお酒がそんなにすきな方ではありませんでした。むしろ、人と付き合うのが楽しくて、お酒はおまけのようなものでしたが、不可欠なものでした。お酒の味がわかるのが大人なら、そういう意味では私は大人ではない、などと青臭いことを思ったこともありました。今では、そんなことたいして重要なことではないのですが。普段はお酒を飲みたいと思わない私ですが、その場の雰囲気で飲むときはたいていビールです。食前酒に水を飲むくらいならビールの方がまだましだと思うからです。今までビールが美味しいなどとは思ったことが無かったのですが、ある経験をきっかけに美味しいと思えてきたのです。

 それはネットでスペインのタパス、地方によってはピンチョスとも言う食べ物のことを知ったことです。見るからに美味しそうな、薄切りのフランスパンの上に乗っている、スケソウダラやツナを詰め込んだ赤ピーマン、スモークサーモン等の色とりどりの具材、それらを見ていたら、自然とお腹が空いてきました。もう我慢できません、こうなったら行くしかないと思いました。それで実際にサン・セバスティアンのバルに行ってみたら、ピンチョスに合うのは生ビールだったと言うわけです。いつも飲んでいるコーラではなく、やっぱりビールしかない、そう思わせてくれたのがピンチョスでした。美味しいものを食べながら自由に過ごす時間、そんな至福の時を与えてくれたのはビールに他ならないのです。それは私が初めてビールが美味しいと思えた瞬間でした。

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