人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

つい買ってしまうお~いお茶

今週のお題「好きなお茶」

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▲S.カラトラーバによるオビエド会議場・展示館。NHKまいにちスペイン語テキストから。

お~いお茶の登場は青天の霹靂で

 お茶と言われてすぐ思い浮かべてしまうのは、やはりお~いお茶です。考えてみると、昔はペットボトルに入ったお茶なんて、誰も想像できませんでした。だから、お~いお茶が発売されたときは、それこそ青天の霹靂でした。でも果たして美味しいのか、と半信半疑でしたが、買って飲んでみるとこれがなかなかイケてる味でした。急須で入れたような煎茶の味とは違ってはいますが、すっきりして、苦みがなく飲みやすいのです。老若男女問わず万人に受け入れられて、ペットボトルのお茶の代名詞になりました。考えてみると、皆口には出さなくても、心の中では、水ではなく気軽に飲めるお茶が欲しいと密かに思っていたのかもしれません。

 何かの雑誌で読んだのですが、一番最初にペットボトルのお茶を開発したのは伊藤園なのだそうです。いつでもどこでも飲める緑茶があったらなあという人々の切なる願いを実現させたのがお~いお茶だったのです。それ以来、緑茶は茶葉や急須が無くても飲めるものとなり、私などは夏の暑い時期はほとんどペットボトルのお茶だけ飲んで過ごしてしまいます。だんだんと季節が進み、秋風が吹くようになると、ようやく急須で入れた熱いお茶が無性に飲みたくなります。今までケロリと忘れていた茶葉の存在を思いだのです。お~いお茶は確かに美味しくて、便利で手放すには勇気がいります。でも、本音を言うなら、美味しい茶葉の味には叶いっこありません。だからそこは臨機応変に飲み分けをして自分の生活スタイルに合わせて楽しむのです。

 お~いお茶はスーパーでも街中にある自動販売機でもどこでも買えるので、喉が渇いたと思ったら、躊躇なく飲んでいました。ある時、夏の暑さが本格的になってくると、いつも飲んでいるお~いお茶が何だかたる~い味に思えてきて物足りなくなりました。何かもっと刺激が欲しいなあと思っていたら、濃茶が発売になりました。普通に考えてたら濃すぎる味がたまらなく美味しく感じるくらい、それくらい暑さが厳しかったのです。お~いお茶が手放せない生活を送っていたのですが、そんな私が海外旅行に行くことになりました。その時は外国にペットボトルのお茶がないことなどすっかり忘れていました。

 いざ、初めての外国に行ってみると、当時はまだバックパーカーが大勢いて、見るからに重そうな荷物を背負って歩いていました。夏の暑い最中、彼らが脇に抱えていたのは2リットルのミネラルウオーターのペットボトルでした。道行く人を観察しても、誰も日本のように小さな500mlの容器を持っている人はいません。何か水以外にお茶のようなもの、例えば、できれば緑茶がいいのですが、まあ、無ければ紅茶でもいいかと捜しました。甘くなくて、すっきりとしている冷たい飲み物ならなんでもいい、とにかくカラカラになった喉を潤せるのなら。ところが、スーパーの飲料水売り場に行ってみると、日本と違って冷たい飲み物というのが極端に少ないのです。どうやら、この国の人たちはうだるような暑さにも関わらず、ヒャ~となってゾクッとするくらいの冷たい飲み物を必要としていないのです。

 日本なら、どれにしようか迷うくらい豊富に種類があるのに、悲しいかな、選択肢がないのです。ガス抜きのミネラルウオーターを買って飲むしかありません、それもたいして冷えていないものをです。冷たい緑茶などあるわけもなく、冷たい飲み物と言ったらコーラかオレンジジュースくらいのものです。この国にいる間2週間も耐えられるだろうとかと思い悩んだのですが、心配は杞憂に終わりました。今まで見たこともない美しい名所、旧跡を見ている間は、ペットボトルの緑茶のことを忘れていたのです。

 つまり、周りの人たちの様子を観察していたら、それが普通だと思えてきて、まあ、無くてもいいか!と納得したのです。最初は我慢でしかなかったことを受け入れたら、こだわりがなくなって自由になれたのでした。

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