人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

そうだ、大英博物館に行こう

今週のお題「行きたい国・行った国」

日経新聞に載っていた大英博物館の中庭。2000年にノーマン・フォスターによって美しく斬新に生まれ変わった。

新聞で写真を見たら、帰りにイギリスに寄ろうかと

 昨日パリに行くつもりだと書いたが、寝る前に何気なく新聞を見たら、冒頭の写真が載っていた。大英博物館の写真にしては、信じられないくらい現代風でしゃれている。記事のタイトルが『再生ミュージアム』なのだから、スタイリッシュに生まれ変わって、古代と現代が融合した場所として注目されているに違いない。残念ながら私は一度も行ったことがないし、それどころかイギリスにはあまり興味がなかった。なぜなら、イギリスについての噂はあまり良くない事ばかりだからだ。物価高のみならず、食べ物が美味しくないなどと言った情報ばかりで、自然と敬遠するようになった。今まで眼中になかったイギリスだが、この記事に『入場料が無料』と書いてあったのが、何より私の好奇心を刺激した。世界有数の膨大なコレクションを誇る大英博物館が何度行っても、好きなだけ通っても、タダだなんて何と素晴らしいことか。さすが大英帝国、太っ腹である。

 そこには『ロゼッタ・ストーンパルテノン神殿を飾った彫刻をはじめ、見るべき展示品が山ほどある』などと誘惑されて、たちまち行く気になった。本当はパリのモンパルナス駅からTGVに乗って、スペインのサン・セバスティアンに行こうと思っていた。何のためかと言うと、そこでしばし寛ぐためだった。安くて美味しいピンチョスと生ビールでパリでの興奮を癒すためだった。だが、”無料”の魅力には抗えない。人生で初のイギリスのロンドンにでも行って見ようかとふと思った。

 それでパリから日本に帰る途中にロンドンに寄ればいいと考えた。過去にやったようにすればいいだけのことだった。ロシアのサンクトペテルブルクからスペインのバルセロナに寄って日本に帰ったり、あるいはベルリンから帰る途中にスウェーデンストックホルムに行ったこともある。そんなワクワクすることを考えていたら時を忘れた。ふと時計を見たらもう11時近くなっていた。慌てて布団に潜り込んだが、待てよ、確かパリからは列車でロンドンに行けるはずではないかとの考えが浮かんできて眠れない。すぐにパソコンを立ち上げて検索したいがやめておいた。

 翌日検索してみると、やはりパリの北駅からユーロスターに乗れば、なんと2時間28分でロンドンまで行けてしまうことが分かった。何もわざわざ飛行機に乗らなくても行けるのだ。ヨーロッパは陸続きなのだなあと改めて実感する。パリにはあちらこちらに主要駅があるが、今まで北駅を利用したことはなかった。ストラスブールに行くときにパリ東駅を、スペインに行くときにモンパルナス駅を利用し、前日には駅の近くのホテルに泊まった。下見をするためと、予期せぬトラブルを未然に防ぐためだった。

 今は行く気満々だが、具体的に行動を起こすのはたぶん暖かくなって、桜の花が咲く頃だろう。その時まで、果たしてこのふっと湧いたような大英博物館への情熱は続くのだろうか。考えてみると、私はいつもこうなのだ。見るもの聞くものにすぐに感動して、影響を受けてしまう。だからすぐに気持ちが冷めて、いつの間にか忘れてしまうことが多い。その時大切だと思ったことが、後でどうでもいいことに変わるが、それさえも気づかない。その例として挙げられるのは、バラ園に行くと決めたことだった。以前新聞を見ていたらバラ園の写真が載っていて、今が見ごろだと書いてあった。場所を調べたら、家から電車で30分の駅から10分で行けるとわかった。その時の私は行く気満々で、開園時間を調べ、バラ園への地図まで印刷した。週末に行こうと計画したが、何たることかすっかり忘れていた。バラ園の情報を印刷した資料が入れてあるファイルを見ても私の心は動かなかった。何のことはない、要するに、別の何か心に引っ掛かることができたのである。

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