人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

私たちの知らないロシア㉕

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インターネットでホテル予約は大丈夫?

 

まだ、インターネットでホテルを予約するのがめずらしかったころ、予約したら自動配信で返事が来たのを予約OKだと勘違いして、そのまま現地に行きました。本来なら、メールか電話で直接予約の確認をするのが常識なのに、OKだと思い込んで平気でいました。ガイドブックにバス・トイレ付きの部屋と書いてあったのに、実際はホステルでした。

サンクトペテルブルグからモスクワに夜の8時頃列車で着きました。地下鉄を乗り継いでプロスペクト・ミーラという駅で降りてホテルを捜しました。プロスペクト・ミーラは真っ白な陶器のレリーフが美しい駅でまるで宮殿の中にいるようです。駅を出てすぐのところにあった看板は日本のパナソニックのもので北野たけし監督の大きな写真がありました。「ああ、ロシアでも人気があるのだなあ」と驚いた覚えがあります。

 

モスクワで絶体絶命の危機!

 

地図は持っているのですが、ホテルは駅から遠いので、ちょうど犬の散歩をしていたご夫婦に道案内してもらいました。そうしてやっとたどり着いたホテルのレセプションでは、「あなたのホテルはここじゃない」と言われてしまって落ち込んで,その場に座り込んでしまいました。ホテルの人の説明によると、今私がいるホテル(実はホステル)からかなり離れているのが、私が予約したことになっているホテルなのだそうです。

そのホテルに電話してくれて、向こうの担当者に「今からこちらへ来たらいい」と言われてもどうしたらいいのか答えられないのです。パールク・クリトゥールイというのがホテルの最寄り駅ですが、知らないところだし、駅から離れているので私には夜10時にそこに行ける自信などありません。受話器を持って私が放心状態でいると、ダメなのが分かったみたいで代わりに電話を切ってくれました。それからわざわざ部屋の絵を描いてくれて、「2つ部屋があってバス・トイレは共同だけどいいの?それでいいのならここに泊まっていいから。」と言ってくれたのです。「問題ないから、心配しなくていい」とも言ってくれるのです。

その晩はどうなるのか不安でしたが、二人の親切な人たちのおかげでゆっくりと休むことができました。そして幸運なことに5泊したうち、隣の部屋に人が来たのは最後の日だけでした。広い部屋で快適に過ごし、ロシアのテレビドラマを見て楽しむことが出来て、自分はなんてついているんだろうと涙がでました。うれしくて涙がでたのは始めての経験です。

今思うと、同じ状況でヨーロッパなら、私はきっと自分で何とかしてホテルを見つけなければならなかったでしょう。誰にも相手にしてもらえず、放って置かれるのが常識的な見解です。ロシアだからこそ「そこまでするの?」みたいな常識を超えた心で、見ず知らずの私に親切にしてくれたのです。ロシア人は困っている人を見過ごせない人たちだと思います。私も少しでも人に親切にして恩返し出来たらいいなあと、いつも思っています。

 

mikonacolon