人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

フィンランド人の親切に感謝

今週のお題「感謝したいこと」

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 北欧の国で思いがけない親切が

 旅に出るのが困難な状況のせいか、どうしてもこれまで出会った人たちのことを思い出してしまいます。そうやって当時を想うことで旅の記憶がより鮮やかになるのです。もちろんいいことばかりではありませんが、それらをすべて笑い飛ばしてしまえるくらいの幸運にあふれた記憶なのです。

 あの時フィンランドに行ったのは、ラトビアでロシアに行くためのビザを取るためでした。当時の地球の歩き方のガイドブックに旅行者からの口コミの情報が載っていました。まだ日本ではビザが取れなかった時代なので、すぐに飛びつきました。ネットで調べてみると確かにラトビアに何軒か旅行社があったので予約をしました。ヘルシンキへの直行便が飛んでいるフィンランド航空を利用して、そこからフェリーでエストニアのタリンに行きます。それからバスを乗り継いでラトビアのリーガの旅行社に行く予定でした。

 空港からヘルシンキ市内に行こうとバス乗り場を捜していると、「こちらですよ」と若い男性の職員が声をかけてくれました。バスが出発する時間や市内までどれくらいかかるのか教えてくれるのです。私の中では北欧の国というのはもっとそっけないイメージを抱いていたので、思わぬ親切に面食らってしまいました。

物価の高さに目をパチクリ

 無事にヘルシンキ中央駅に着くと、駅で何か食べ物を買おうとキオスクのような売店に入りました。そこで小さなサンドイッチとパックの牛乳を手に取ると、レジに持って行きました。当然袋に入れてくれるのだとばかり思っていたら、そのままなので、すぐに「ここは日本ではないのだ」と気が付きました。そのことはまあいいとしても、値段が9.5ユーロだなんて!日本円にすると1200円だなんて高すぎます。手に持ったパンと牛乳を見て目をパチクリし、思わずため息が。カルチャーショックを受けないように覚悟して来たはずなのに、現地に行ってみるとやはり日本との違いを感じてしまいます。果たして、こんな物価高の国に住んでいるのはどんな人達なのでしょうか。

予想外の親切に驚いて

 さて、駅で食べ物を買った私は自分が予約したホテルを目指して歩き始めました。この街の道路はとても分かりやすくて助かります。ほぼ「地球の歩き方」に載っていた地図の通りで迷う心配は全くありませんでした。すぐにホテルのあるビルを見つけてインターホンを押しました。予約したホテルはビルの7Fにあるのですが、応答がありません。聞こえないのかもと思って何度も試してみるのですが、やはり誰も出てくれません。ちょうど隣にはカフェがあるので誰かに聞いてみようと思いました。テラスには新聞を読んでいる男性が座っていて、傍らには犬が寝そべっていました。どうやら犬の散歩の途中か帰りのようです。

 「ホテルの場所はここでいいのですか?」と確認しようとして尋ねました。すると男性は店の奥に入って行って、店の人を連れてきてくれたのです。その女性にホテルの住所を見せると、この場所に間違いないと言います。私が応答が何もなくて困っている旨を伝えると、「電話してあげるから」と言い、携帯を取りに行って戻ってきました。何もできずボ~ッとしている間に話を付けてくれたようで、「ホテルの前で待っていれば大丈夫、人が迎えに来るから」と言われてひと安心です。今考えると、こちらが何も言わなくてもやってくださるなんて、ありえないことです。幸運というしかない、実に有難いことなのです。それにしても、見ず知らずの外国人に同情したとしても、あそこまでできるなんて、すごい人達ではありませんか。

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