人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

手作り弁当と給食

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弁当作りが生きがいだった友人

 昨日の手作り弁当の話の続きを書きます。昨日の話を友人にしたら、「みんながそんな辛い思いをしているなんて知らなかったわ」と驚いた様子でした。彼女は二人の子供の弁当を何年も作り続けてきたが、一度も辛いと思ったことはないと言います。いや、むしろ楽しい思い出しかないのだと。息子のために高校から、何年間のブランクを経て資格試験の予備校時代までと、娘のために高校から短大、幼稚園教諭の時代まで弁当を作ってきました。毎日5時ごろ起きて弁当を作って持たせるのが”生きがい”だったのかもしれないと振り返ります。当時は母親の義務と思ってやっていたが、やらされているという感覚は全然なかったそうです。

 ただ、罪悪感から子供の弁当を作らなきゃと思うのであれば、それは大問題だといいます。手作り弁当がベストと言う信仰から抜け出せないでいる日本に暮らしていれば、苦しいのは当然だと思うのだと。だから、「もっと自分の本音を隠さずぶちまけたらいいんじゃない」とアドバイスする。そうすれば、共感してくれる人は必ずいると思うし、「そう思っているのは私だけじゃなかった」と自分は間違っていないと安心できるのはと考えるそうです。

冷凍庫から出してOKの朝楽弁当?

 友人が一番驚いたのは、知人の女性の弁当作りで「朝が楽でいいわよ」といつも言っている人でした。やり方は前日の夜に弁当箱にご飯もおかずもすべて詰めたら、すぐに冷凍庫に入れるだけです。そして翌朝、冷凍庫から出してそのまま子供に持たせればいいのだと言われました。信じられなくて「電子レンジでチンとかしないの?」と確かめると、「お昼ごろにはちょうど食べごろになるからいいのよ」と自然解凍を強調されたそうです。しかし、果たして美味しいのかどうかは試してみないとわかりません。「食べられるのかしら、大丈夫なの?」というのが、友人の正直な感想です。

罪悪感から朝早く起きて・・・

 見た目優先、手間ばかりかかる手作り弁当ですが、映画監督で写真家の蜷川実花さんも朝早く起きて弁当を作ると言っています。それは母親が働くことに罪悪感を持っているからで、弁当を作ることで許しをもらっているようなものだそうです。自身が徹底した合理主義者だと認める蜷川さんでも、手作り弁当信仰には逆らえないのだと認めています。中国人のように、日本の母親がもっと開放されて、楽に生きられる時代が来ることを切に願うばかりです。これからの時代、多様性のある考え方をする人が多くなれば、きっと”手作り弁当信仰”も崩壊するときが来ると思うのです。

給食は先生自ら盛り付けをする

 手作り弁当に代わるものと言えば、給食がありますが、これにも様々な課題があるのです。姪が学生の時に教育実習に行かされたのは、学校の付属の幼稚園でそこの幼稚園には給食がありました。生徒が35人ぐらいいて、先生一人とあとは助手の先生の二人で子供の面倒を見ていました。実習に行って初めて一番大変なのが給食の時なのだと思い知ったそうです。給食と言っても、ひとりづつ盛り付けたものが来るわけではないのです。まだお弁当のようなものであれば負担が減るのですが、実際は先生自ら盛らなくてはなりません。35人分をひとりでです。猫の手も借りたいような忙しさの中で、貴重な助っ人は実習生で彼らがいて、初めて何とかなるのだと悟りました。まさに「実習」とは名ばかりの労働をさせられているのですが、姪はこのクラスの先生に同情して、「先生はすごいけど気の毒になる」と漏らしました。当然先生がお昼を食べる時間はわずかしかなくて、激務に耐えられずみんな長続きしなくて辞めてしまうのだとか。だから姪は給食のある幼稚園は私には無理と言っていましたが、給食がなくても子供を見ながら自分が食べるのは大変なことだそうです。

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