人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

マカロニグラタン

家では食べたことがない、特別な味

 今年は例年よりも早すぎる梅雨明けで、まだ6月下旬にも関わらず猛暑の洗礼を受けている。この予期せぬ暑さに私の身体は炭酸飲料の刺激を欲しがっている真っ最中だ。だが、暑いからと言って、冷たい物を食べたいかと言うとそうでもない。夏の食べ物の定番はそうめんとか冷やし中華と決まっているが、私はアツアツの物が食べたい。冷たい食べ物はその時はいいが、腹持ちが悪いので、後ですぐに何か食べたくなる。いつも後悔するので、冷たい食べ物は控えたほうがいいようだ。

 アツアツの食べ物といったら、例えば、グラタン、オーブンから出してみると、表面が焦げていて、まだジュルジュルと震えている。火傷しそうなくらいのグラタンをふうふう言いながら食べるのが好きだ。いや、「好きだ」と言うよりも正確には「好きだった」のだ。言い訳をするようだが、以前は、まだ若い頃はグラタンに熱をあげて、しょっちゅう食べていた。だが、年を取るにつれて、ああいうしつこい?味の料理が口に合わなくなってきた。要するに食べ物の嗜好が180度変わって、あっさりした和風の味を好むようになったのだ。

 グラタンのことを知ったのは、小学校の給食の時間で、マカロニグラタンというものがでた。家で母が作る料理はすべて和風のおかずだったので、洋風の物が珍しくて仕方がなかった。家で食べられない変わった料理が食べられる、そういう意味でも子供にとっては、少なくとも私にとっては給食は楽しみだったと言える。甘い玉ねぎとバター味のホワイトソースが子供心に新鮮で、特に気に入ったのはマカロニの柔らかさとトロトロ感だった。クタクタのマカロニがつるつるっと入って行く。ねっとりとしたホワイトソースが絡みついたマカロニは子供の舌を魅了した。世のなかにはこんな美味しい物があるんだ、くらいに感激したのではないだろうか。もちろん、給食のグラタンはアツアツでもないし、表面もカリカリではない。だが、冷めきっていても十分魅力的な食べ物だった。好き嫌いが激しい私は、たしかに給食のメニューには苦手なものがあった。でもそんなことを忘れるくらい、それ以上に 好きな献立がたくさんあって給食の時間は至福の時だった。

 大人になっても、まだグラタンへの思いは続いていた。自分でも家でグラタンを作っていたが、ホワイトソースはインスタントで間に合わせていた。最初からソースを作ると、時間と材料が無駄になるので、ちゃっかりとルーミックの顆粒やハインツの缶詰のルーを利用していた。ルーミックのホワイトソースは味付けがされているので、そのまま使えばいいのだが、味が濃すぎるのが難点だった。その点、ハインツのそれは味付けがされていない分、自分で自由に味を調節できた。コンソメや調味料で味を調えて、自分好みの味に仕上げた。

 テレビのCMでやっていた某有名食品メーカーのマカロニグラタンを買ってきて作ったこともある。確かその時はマカロニが時短で茹で上がるという宣伝文句が印象に残っている。マカロニは普通は茹でるのに10分ほどかかるのだが、半分ほどの時間で出来てしまうというものだった。実際試してみると、たしかに早く茹で上がるのだが、食べて見たら弾力があり過ぎた。早いことは早いのだが、柔らかさに欠けていて、到底食べようとは思えない代物だった。これでは普通のマカロニをきっちり茹でた方が速いでしょう、と後悔した記憶がある。

 時の流れとは不思議なもので、あんなにマカロニグラタンが好きだった私が、今では疎遠になっている。いつの間にかバターのこってりとした深みのある味が苦手になった。でも、給食の時のあのマカロニグラタンだけは今でも思い出せるのだから、まんざら忘れてしまったわけでもなさそうだ。

mikonacolon

 

 

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