
バタ足ができないと無理だとわかった
最初から、嫌な予感はしていたが、それでも最初くらいは行かないとこの先もう永遠に行けないのではないかと恐れて、意を決して行ってみた。もしかしたら、私の痛い足でも何とかなるのではないかと楽観的に考えていたら、背負い投げをくらった。考えても見て欲しい、私の足は痛くて、バタ足を練習しようと試みたができなかった。初心者の水泳教室のための準備も何もできなかった。それなのに、初回の教室に参加したのだから、どうなったかは誰にでも、容易に想像がつく。私は全く泳げないが、初心者コースと言うのは、泳げない人が入るコースではなくて、それなりに泳げる人がほとんどなのだ。その際、基本中の基本であるバタ足ができないとなると、一体全体何をやればいいのか、どうしたらいいのか路頭に迷ってしまうのだ。
プール友だちのセツコさんが、「初回にいきなりバタ足の練習はしないでしょう」と言っていたが、実際は昨日、バタ足を練習した。最初は呼吸法か何かをやるのかと思ったら、バタ足だったので面食らった。最初はプールの中を頭を水の中に浸けながら歩いた。そのつぎに手を伸ばして、足でプールの壁を蹴り、浮く練習をした。だが、足が悪い私は壁を上手く蹴ることができない。それに、バランスが悪くて、どうにもこうにもうまく上手く浮くことができない。それで、私だけビート板を使ってやることになった。今さらこんなことを言っても何の役にも立たないが、水泳教室に参加するためにはそれなりの練習が必要なのだ。その練習さえもまともにしていないのだから、悲惨な状況に陥ったのは至極当然のことだった。
昨日の水泳教室に参加したのは私を含めて8人だった。確か定員は10人だったので、後の二人は欠席ということになる。8人のうち、ひとりは外国人の男の人だが、とても日本語が達者だった。参加者の中に以前見かけたことがある女性がいた。その人は去年の初心者水泳教室に参加していた人で、金曜日の朝、いつも更衣室で一緒になった。とても明るくて、プール友だちのマサコさんともよく話していた人だ。さすがにその人は上手なので、スイスイと気持ちよく進んでいく。昨日の先生は、穏やかなそうなひとだが、指導の仕方はそうでもないのだとわかった。初回から、クロールだけではつまらないと、平泳ぎの手の動かし方まで、やってみましょうと私たち生徒を促がした。実に盛りだくさんの内容のレッスンだったが、もちろん、浮くだけで精一杯の私には真似ができない。去年教室に参加していたあの女性にとっては、それこそ充実した内容だっただろうが。
市民スポーツセンターの水泳教室の初心者コースの目標は、クロールで25m泳げるようになることだ。だが、言うまでもなく、月3回か4回のレッスンをこなすだけでは泳げるようにならないのは明らかだ。昨日のレッスンでも生徒が8人いて、実際に泳いだのはひとり4回ぐらいのもので、これだけでは泳げるようにならないだろうなあとつくづく思った。となると、さらなる練習が必要だが、教室の後、練習していく人は誰もいない。私などは初心者コースのレッスンで完全に打ちひしがれていても、水中ウォーキングをすることを忘れなかった。10分間の休憩を挟んで、いつものように35分程度歩いた。もしも、私の足がまともなら、教室の後、喜んで練習していくのになあとできもしないことを勝手に考えた。
いや、ちょっと待って欲しい。何か大事なことを忘れている。そうだ、ここのプールはすり鉢状になっており、真ん中に行くにしたがって深くなっている。プールの真ん中は水深1.5mで、私の身長では顔の半分まで浸かってしまう。そのため、ここで練習したくても、できないのだ。実際、水泳教室のレーンには、プールの底の所々にオレンジ色の台が敷かれていた。それなりの配慮なのだろうが、ただ、泳ぐことに慣れていない私はその台に何度も足をぶつけて痛い目に会った。私はあのオレンジ色の台が怖くてならない。
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