人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

マイクロフランネルのパジャマ

今週のお題「買ってよかった2021」

f:id:mikonacolon:20211227153711j:plain

寝汗をかいて着るものが無いので、買うことに

 そもそもこのマイクロフランネルのパジャマを買ったのは、全く予期せぬ事態になったからでした。普段寝汗などかいたことがない私が、ちょうど寒さが厳しくなったころからなんだかおかしくなったのです。ヒヤッとした冷たさを感じて真夜中に目が覚めたり、あるいは途中で起きなくても朝目を覚ますと身体がぐっしょり汗まみれになっていて慌てたりしました。何度もそんなことが続くと、「またやってしまった」と呆れて、何とかならないものかとつくづく思いました。でも昔の私なら、「なぜ?どうして?」とやたら原因を追究したくなるのですが、今の私ときたら「まあ、そういうこともあるか」で終わりです。

 でも気になるので、試しにネットで検索してみました。すると、冬の寒い時期の寝汗はよくある事で、そんなに心配することはないそうです。ただ寝汗をかかないための対策としては、夜寝る前にカフェインの入った飲み物を取らない、長時間にわたってスマホやパソコンを見ないようにするなど生活に留意する必要があります。なあんだ、そんな簡単なことでいいのかと思い、それならと実行してみましたがそんなにうまくいきませんでした。だからそんな深刻にならなくていいので、着替えを枕元に用意しておけば安心して眠れるのです。

 欲しくて買ったわけでもないのに、有難いことにこのパジャマはすべすべのつるつるで肌触りがとてもいいんです。でも皮肉なことに、結果的にまた物が増えてしまいました。できれば、”物はもういらない”というのが私のポリシーだったはずなのに。残念ながらミニマリストを目指すと決めたはずなのに、緊急事態の発生にはなす術がありませんでした。着るものが無くて、寒さに震えるよりは物が多少増えても仕方ないと私の頭はつぶさに判断しました。その判断に間違いはなく、まさに臨機応変の適切な行動でした。

 コロナが流行る前、私はミニマリストに憧れて、大量の物を捨てました。確かに捨てたときはすっきりして、爽快感でいっぱいでした。掃除も楽でいいし、何もない部屋は想像以上に落ち着きました。毎日の服選びも迷うことなく快適でした。ところが当然のことながら梅雨や秋の長雨の時期は洗濯してもなかなか乾きません。するとたちまち着る下着や洋服が無くなって、ほとんど”難民”状態になってしまうのです。もちろんお風呂に入って身体を拭くタオルも無くなります。そうなると快適でしかなかった物を持たない生活に不便さが忍び寄ってきて、そのせいで心にも不安が生まれました。

 物を持たないで快適に暮らすにはそれなりの条件が必要なのです。ミニマリストとして暮らすことが理想だとするなら、現実においてはなかなか実践は難しいのです。特にその問題点を突き付けてきたのは、コロナ禍での生活でした。まさに想像を絶するような事態で店から品物が消えてしまうなんて!ポカ~ンと放心状態になりました。すぐに思いました、あんなに捨てるんじゃなかったと。後悔しても始まらないのに、無駄なのに、どうしようもなく苦い気持ちが押し寄せてきました。そうなると、どうしても捨てられないでいる派の人たちが突如として輝きだしました。かつては溜め込んでばかりだと非難した友達から、マスクの材料や手作りマスクを分けてもらうことになります。

 ミニマリストの暮らしは当然あるべき物があるべき場所にあると約束されている社会においてのみ実現可能とも言えるのです。知人のミニマリストはコロナ禍になってから、人の本能からか食料品をストックしておくようになりました。そう言えば、断捨離が流行っていた当時、「本は捨てても、また買えばいい。読みたくなったらいつでも買えるから」という言葉に背中を押されて、その時の自分の気分で本を大量に捨てました。今にして思うと、その言葉はあまり適切ではないのです。なぜなら、本というのはどんどん新しい本が毎年出版されるので、古い本はもう手に入らなくなるからです。少しでも自分の心に何かしら引っ掛かった本は捨てずに手元に置いておくべきなのです。こんなもっともなことを書いている私も当時は大切なことはさっぱりわかりませんでした。考えてみると、買った本のうち手元に置きたい本は半分あればいい方なのですから、「捨て思考」など忘れて、自分の「好き」を優先すればよかったのです。でも自分を持たない私は結局、世の中の流れに逆らえずに気になる本でさえも捨ててしまったのです。

 

mikonacolon