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阿佐ヶ谷姉妹の素顔

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▲スペインのタラゴナ大聖堂。12世紀主流だったゴシック建築で、大きなバラ窓が特徴。NHKまいにちスペイン語テキストから。

ドラマを見て初めて、姉妹の性格がわかってきた

 最近夜遅い時間に阿佐ヶ谷姉妹のドラマが始まったので、楽しく見ています。と言ってもまだ2回目なのですが、初回はビデオに録るのを忘れて見逃してしまいました。なにぶん朝5時15分に起きる生活なので、眠くて起きていられないのです。ドラマの題名は「阿佐ヶ谷姉妹ののほほん二人暮らし」でなんだか緩くてホンワカした雰囲気が伝わってきます。今回のお話は木村美穂さんが姉役の渡辺江里子のところに引越して来るところから始まりました。正直言って、驚いたのはお二人が顔は見間違えるくらい似ているのに、性格は全く違う、むしろ正反対なのだとわかったことです。

 江里子さんは性格が穏やかで優しくて、見るからに人がよさそうです。一方の美穂さんは少し自分勝手で、ぶっきらぼうで、でも決して性格が悪いわけではないのです。引っ越すと言っても、普段から美穂さんは江里子さんの部屋に入り浸っていたので、たいして以前と変わりないように見えます。でも美穂さんはしだいに二人暮らしを窮屈に感じてしまうのです。なぜなら江里子さんの部屋は6畳一間のアパートなので、四六時中二人で顔を突き合わせていなければならないからです。6畳の部屋を二人で3畳づつに仕切って仲良く暮らすことが江里子さんは嬉しくて満面笑顔なのに、美穂さんは浮かない顔をしています。

 「いつもお姉さんと一緒に居るのに、私なんだか疲れちゃった」と嘆く美穂さんを心配して、江里子さんはできるだけ美穂さんを一人にしてあげようと気を遣うのです。もし、美穂さんが悩んでいるようなら、自分から二人暮らしを解消しようと言いだそうと決めました。ところが美穂さんは、思いがけなくも「二人暮らしはお財布に優しいし、二人で暮らすのは楽しい」などとまんざらでもなさそうなのです。それを聞いた江里子さんは大喜びでほっと一安心です。江里子さんによると、美穂さんは100点満点なら97点あげたい人なのだそうです。どこが好きか聞かれると、江里子さんの気まぐれなところとか、子供っぽいところが好きとか、というような他人にはわからない、たわいもないことを理由にあげました。

 要するに、江里子さんは美穂さんが丸ごと好きなようで、常に側にいる空気のような存在なのでしょう。とにかく美穂さんが何を言っても腹を立てることなく、がっかりはするけれど美穂さんの行動を認めるのです。普通二人暮らしでは、お互いに思いやりを持つのが当たり前で、それが常識なのです。でも美穂さんにはその常識が通用しないようで、カレーを作っても自分だけ食べてしまうのです。「どうして私の分もついでに残しておいてくれないの?」と江里子さんはついつい言ってしまいました。でも、すぐに気が付いたのです。誰かの分も取って置いてあげるのは、当たり前のことではなくて、それは”サービス”なのだと。なので、してくれなかったという理由で相手を責めるのはフェアじゃないのです。

 ドラマでも美穂さんがコーヒー牛乳のパックでプリンを作って食べる場面があります。「それ何?」と不思議がる江里子さんの目の前で、自分だけでそれをペロリと平らげてしまうんです。何事が起ったかとばかりに呆然としている江里子さんが我に帰って、「美穂さん、私も少しは食べたかったわ」と残念そうに訴えるのに、美穂さんは気にしません。テレビの前の我々は「そりゃないでしょう!」と江里子さんに同情してしまいます。でも、ある日美穂さんは今度はオレンジジュースでゼリーを作りました。それをコロンとお皿にあけるとプルルンと中身が飛び出しました。見るからに美味しそうなゼリーをいつものようにスプーンで食べようとするのかと思ったら、なんと、「お姉さんも食べる?」と江里子さんに声をかけてくれたのです。そう言われた江里子さんはもう嬉しくて堪りません。

 一見空気を読まないように見える美穂さんにも、姉を思いやる気持ちはあるのです。それはカレーに関することで、人それぞれ好みがあって辛いのが好きな人がいれば、苦手な人もいます。その日、美穂さんは自分の好みのカレーを作らず、姉の江里子さんの好きなルーを使って作りました。そして、疲れ切って帰ってきた江里子さんに「今日はお姉さんのためのカレーだからね」と言って、姉を思いやるのでした。

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